greendice [shortland VIII-ラクリマの紹介] greendice 背景設定 greendice
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■ 幼年期 ■
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 記憶がないため、一切不明。

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■ 少年期 ■
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 12年前、5歳くらいの女の子がフィルシム郊外にあるパシエンス修道院の門前で泣いているところを院長に保護された。その女の子は親のことも住んでいるところも、自分の名前さえも覚えていなかった。修道院はフィルシムの教会本部に迷子の報告をして保護者を探したが、だれも名乗り出なかったので、そのままその子を育てることにした。

 よく泣く子だったので、いつの間にか皆から「ラクリマ」と呼ばれるようになり(「涙ちゃん」という感じで)、そのまま「ラクリマ」と命名された。院長としては逆に「涙」とつけることで、「悲しみを涙で洗い流して、新たに前に進んでほしい」というような願いを込めている。

 以後、12年間、修道院において成長し、ほぼ院内のみで生活する。

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■ 青年期 ■
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 生来の泣き虫に加え、外の人間との接触をこわがるきらいがあったため、神学校には通わなかった。しかし、院長の導きにより17歳を目前にして神の奇跡を振るう能力に目覚めた。一般的な訓えを受けたり、院長やサラの振るう奇跡を見たりするうち、自然と真似して使えるようになったらしい。世間から見ると特異なことであるが、本人は当たり前のことのように思っている(ただし学校へ行ってないことは固く口止めされている)。

 修道院では、3年前から薬草園の管理を任されていた。また、公開ミサの折りには賛歌を歌うメンバーの一人であり、ここ数年はほとんど毎回主唱者を務めていた(修道院における朝課、晩課、終課等の際には当然全員が唱和するが、それ以外の公式行事でも歌い手を務めたということ)。

 17歳のときに、身重の神官サラに代わってセロ村へ派遣される。

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■ 修道院での暮らしぶり ■
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 特筆すべきことは何もない。毎日、早朝から晩まで定められた「お勤め」をこなしている。

 修道院には、一般信者や、やむを得ない事情から保護を求めて駆け込んできた女性・子供(孤児含む)まであわせて、20〜30人ほどが一緒に住み込んでいる。この他に通いの信者もいる。

 全員が神の僕とはいえ、みながみなよくできた善人というわけにはいかないので、泣き虫はどうしても苛められる。といっても、子供が普通にやる程度の苛めで、「泣いてばかりで気持ち悪いやつ」とか「お前の親は首切り役人だろう(意味不明)」とかいった程度。ちなみに暴力を振るわれたことはない。

 ただ、童顔のせいで年下の子供たちからも未だに苛められる(もといからかわれる)ことがあるらしい。

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■ 影響を与えた人物 ■
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◆クレマン院長‥‥
 パシエンス修道院の現在の精神的屋台骨。ラクリマのことは、神の僕としての素質を見抜いていたのか同じ身よりのない子供たちの中でも特に目をかけてくれ、実の親にも劣らない愛情をそそいで育ててくれた。おかげでラクリマも下手な劣等意識を持つことなく、かなり真っ直ぐに育っている。問題がないわけではないが‥‥(院長様もまさかここまで世間知らずに育つとは思わなかったのだろう‥)。

◆サラ‥‥
 修道院で育った8歳年上のサラ(「夢見石」のキャラ)は、自分と同じく親を失ったラクリマに同情的で、男の子に苛められていると助け船を出してくれたりして、よく面倒を見てやった。ラクリマもサラのことは実の姉のように慕って懐いていた。
 あるとき、「泣いてばかりいるのは『おかしい』ことらしい」とラクリマが気づいて、数日泣くのを我慢していたところ、今度は弾みで涙が止まらなくなってしまった。ラクリマはそれをまた大層哀しく思って一人で隠れて泣いていたのだが、サラに見つかって、こう慰められた。「あなたの涙も神様がくださったものなのだから、それを愧じたり無理に見せまいとしたりする必要はない。」この慰めのおかげでラクリマは、奇癖を持ちながらも精神的な安定を得て過ごしてきた。
 サラは18歳になった7年前から、冒険者として外の世界に出てゆき、修道院を留守にするようになった。5年前に「夢見石」の事件と遭遇し、当初の目的である借金返済を果たすも、その後も冒険者稼業を続けていた。2年前に結婚、現在は身重の体であるため、修道院で安静に暮らしている。

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▼ホーリーシンボルのこと▼
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 ラクリマは冒険に出る前、サラにおねだりをしてホーリーシンボルを譲ってもらった。このホーリーシンボルはサラが冒険中に見つけたもので、『恵みの森』の何かの研究所跡にあったもの。魔法がかかっていて、その内容は不明だがイヴィルではない。裏に「108」と数字が書いてある以外は普通のホーリーシンボル。
 「夢見石」の一件以来、魔法がかりの物品にあまり良い印象を持たないはずのサラが、仮令(たとえ)イヴィルでなかろうと(「石」もイヴィルではなかった)、かわいい妹弟子にそんな危険なものをすんなり渡すわけがない。何らかの啓示を受け、必要性を感じてのことらしい。
 なお、トーラファンに調整されて以来、このホーリーシンボルを身につけている限りは、各レベル1つずつ記憶できる呪文数が増えることがわかった。