greendice [shortland VIII-Lacrimae tabula rasa] greendice ラクリマの感情一覧 greendice

 

ここは、ラクリマが現時点で獲得している感情の記録所です。
(実はプレイヤーが忘れないために作りました……)

 彼女は見た目も中身もごく普通の人間です。
 ただひとつ、つい最近まで「自意識がない」という、普通の人びととちょっと異なった側面を持っていました(本当に自意識=ゼロなわけではなく、他と比べてきわめて希薄であるということですが、面倒くさいので以後は「希薄である」ことも「ない」と記述します)
 それゆえ、所有できる感情も限られていましたが、ごく最近(SL暦460年3月中旬)、ひょんなことから自意識に目覚めました。今後は外界との関わりを通して、さまざまな感情を認知・反復・獲得していくでしょう……たぶん。

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■ 今そこにある感情 ■
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※画力がなく同一人物に見えませんが、大目に見てください(汗)。
sorrow

かなしみ

デフォルトで所有。彼女にとって最も基本となる感情。自分に興味がなくても、情愛同様、海のような広さで感得できる。フロイトによれば愛情の対象が失われた危機の克服は「悲哀の仕事」であり、悲しみを十分に表現できる期間が必要らしい。よく泣く彼女は、それだけ多くの危機を乗り越えられる…のか…?
delight

よろこび

デフォルトで所有。自意識がない(嫉妬や羨望がない)だけあって、他人の幸福はスナオによろこぶ体質(今のところは…)。ほかに、宗教的な意味での感得も果たしている。「よろこびたたえよ、あなたの神が世を統べたもう」
pleasure

楽しさ

デフォルトで所有。こういう感情様式は、やはり周囲から学びとる(=うつる)ものであろう。お母さんが笑うと子どもも笑う、そういうもの(彼女に母親はいないが代替可能)。
fear

恐怖

デフォルトで所有。はっきり言って「こわがり」。たとえば「神鳴り」であるせいか、雷が怖い。鳴っている間は動けないらしい。他にもいろいろ怖いもの満載(ヘビとか)。人間の悪意も、どんな小さなものであれ、底が知れなくて怖くてたまらない。

self-hate

自己嫌悪

いきなりこれ……もっと楽しいヤツを覚えたかった(汗)。「感情」と言えるのかも怪しいが一応掲載。第12話で発現、が、本人にまだ明瞭な認識はない。レスタトやジェラルディンが弟妹と知り、彼らを助けることのできなかった(レスタトなんか見殺しにした)自分の無力を嘆いてしまい、獲得に至ったらしい。
shyness

羞じらい

苦節30年(嘘)、第16話にして漸く獲得。なぜか迷宮にあった個室でNPCティバートとサシの折に、彼に縋るような態勢で泣いてしまったのを初めて「恥ずかし」く感じたらしい。今まで同様のことがあっても平気だったのに、なぜそこで感じたのか? その理由は今後明らかにされよう(明かすまでもないけど)。
sense of inferiority

劣等感

ああもう、くだらない感情ばかり覚えおって……! だから自意識って嫌い。第18話の戦闘にてアンデッドに恐怖で雁字搦めにされ、それゆえ自分が全く役立たずである(どころかお荷物である)ことに深く落ち込んだ、そのときに獲得した(バルジ死んじゃうし)。人間らしいといえばそうだけど……ああやだやだ。
joy

歓喜

上にある「よろこび」とは若干異なる。どこがかといえば、自分が能動的に喜んでいるところだ(上記は周囲のための受動的な喜び)。第19話で、ティバートが自分の贈ったシャツを着ているのを見て、心から嬉しく、花が咲くような笑みを見せた(つもり)。実はこの娘がこれだけ能動的な感情を表したのは初めて。
loneliness

寂しさ

やっと覚えたよ(ぜいぜい)。以前は特定個人に執着しなかったため「だれかがいなくて寂しい」と思うことはなかった(修道院で親の不在を嘆いたことがない孤児は彼女だけ)。第20話でセロ村に来る途中から穴の空いたような気持ちに苛まれていたが、第21話でティバートと再会してそれが寂しさだったと認識した。
distrust

不信感

う〜ん……なぜか以前より人間の善性を信じられん(笑)。どこで覚えたのかわからないが、第24話終了後に整理したらそうなっていた。ヒトが差別をする生き物であり自らのみを恃むに陥りがちな生命体であることを認識してしまったようだ。人間であることが、意志のあることが如何ほどのことだというのか。だがしかし……
dislike

嫌悪

ここへきて悪感情覚えまくり?(汗) 第27話でアラファナと対峙した際に彼女に同情、アルトのこともあって人類に対する嫌悪を覚えてしまった。キャンペーン終わろうって時に人間と乖離してどーする? 今後はずっとこの感情を内包して生きていくのだろう。救いは個人への嫌悪を知らないことだが遅かれ早かれ……
painful

切なさ

第28回(何だこの回数は)でカインが別人格を演じ始め、彼が喪われてしまうと感じて獲得。何しろ「二人目も喪失、しかも自分は癒せず守れず見ているだけ」の状態。特にカインとは温かい思い出が多く、それが行く末失われるなど…。割り切れぬ、けれどどうしようもないものへの痛み。肉親相手に覚えるとは計算外でした。
anger

怒り

一番遠きに在りと思いしが。第29回で阿呆カインが(以下30行、略)。つまらん自尊心(どう言おうがアレの大元は自尊心だろ)のために大事なカインを葬ろうとする「彼」に対して、同時にそれを止められぬ自己に対して、激しい怒りを覚えた。生まれて初めて他人に怒鳴って……でも結局あとは泣いてましたが(笑)。

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■ 自意識とは? ■
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 私は心理学の専門家ではありませんから、「自意識とは何か」を詳しく説明できるわけでもありませんし、そもそも正しく扱っていないかもしれません。
 が、一般に「自意識」とよばれるものは、「私がどんなわたしであるか(今までどうであったか、将来どうなりたいか)」「他人からどんな人間として見られているか」「自分は何者なのか」といった、ルーツまで含めた自分自身のありようについての意識を指すモノと理解しています。この場合、「プライド」「羞恥心」のような感情は、すべて「自意識」のはたらきと解していいでしょう。

 このゲームにおいて私が「自意識」というとき、それは、「アダムとイヴが知恵の実を食したことによって手に入れた人間の精神のはたらき」をイメージしています。そう、「自意識」こそ楽園喪失の原因なのです。昔のひとは頭がよかった!! 聖書を書いた奴は天才だ!! ……じゃなくて、ここでは語りませんが、総合的に見て「自意識」ほど諸悪の根源にふさわしいモノはないのです(笑)。
 ラクリマはこの意味で、普通の人間よりも三歩エデンに近い存在です(と、いうのをやりたかった)。ですが、それは悪くいえば、毛が三本足りないどこかの猿のようなものです。なぜなら「自意識」の獲得は、人間性の獲得でもあるからです(と、勝手に思ってます)。

 「自意識」には、他人と自分とを区別するはたらきもあります(正しくは「自分」の「同一性」を認識するはたらき)。したがって、「自意識」が希薄であれば、自他の区別が普通の人びとより曖昧になるでしょう。この状態は、「自分」を強く意識することで生まれてくるような感情の獲得を困難にします(と、解釈しています)。
 たとえば「憎悪」。その裏返しの「愛」。ここでいう「愛」は、例の情熱的なソレであって、だれにでも与えられる「情愛」ではありません。ある特定のヒトないしモノに固着する感情です。他人に執着することがなければ、「寂しさ」もわかりません。また、先ほどもあげた「羞恥心」や「妬み」、これらは、自分が他人からどう見られているかについて興味のない人間には、無縁の感情でしょう(「自分は自分、他人にどう見られようが構わない」というのではなく、そもそも自分自身に興味がない)。

 というわけで(何が?)、プレイヤーとして、ラクリマには最初は4つの主感情しか与えませんでした。おかげで女の子らしく頬を染めることもできない(笑)。
 まぁ、実際には、細々とした他の感情の波もあります(冒頭で述べたとおり自意識も「ゼロ」ではないので)。ありますが、それらはたいへん希薄で、ちょうど野菜ジュースの成分と同じ状態と思ってもらえばよろしいでしょう。「この中ににんじんとトマト以外の何が入っているかを舌で判別しろ」と言われて、いったい全部答えられる人間がどれだけいるでしょうか?
 彼女の他の感情も、存在はしても彼女自身によってまるで識別されておらず、そのため無いと同じ状態です。ちなみに、最初から識別されている感情(つまり野菜ジュースでにんじんやトマトにあたるもの)が「かなしみ」「よろこび」「楽しさ」「恐怖」になります。

 だらだらと書いてしまいましたが(これもプレイヤーが忘れないため…(汗))、うまくできているかどうかはさておいて、そんな感じで遊ばせていただいております。
 今後は4つ以外の感情の獲得を、できれば平均で1セッションに1つくらい、目指してゆくつもりです。とりあえず現時点で覚えさせたいのは「恥じらい(羞恥心)」だっ! これがないといつまでも「顔を赤らめる」ことができない!! もうひとつ、「寂しさ」も獲得したいですね、なんとなく。
 おそらくは「怒り」の獲得が最終目標になるでしょう。問題は、それまでがんばれるのだろーか……。

(2003年2月11日現在)

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