『夢見石』の冒険:#02 <<Previous ■ Next>>
[shortland 『夢見石』第2回] プロローグ「時の狭間に…」 |
事件の真犯人であるジールのドッペルゲンガーを倒し、 見知らぬ男女と共に旅をする貴方達4人。 それでも『夢』の中の貴方達は、なぜかごく自然に振る舞っていた。 そこで、目が覚めた。 そしてその朝、貴方達はセロ村を旅立った。 |
[shortland 『夢見石』第2回] あらすじ |
1.恵みの森 ハリーとコリーの二人は、サラ、リッキィ、ラグナー、ルギアの4人をセロ村に残し、先んじてフィルシムのギルドへ報告に向かった。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 2.夢の世界 夜明け頃、「石」から緑の光が溢れ、見張りのため起きていた者も夢の世界へいざなわれた。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 3.不測の事態 朝、起きてみると、現実の、現在時制の「恵みの森」にいた。しかし、「ただの夢」で片付けるわけにはいかないようだった。4人全員が同じ体験をしただけでなく、本物の「疲労」が残っていたからだ。このまま進むのは危険と判断し、一同は一旦セロ村に戻った。そこで強壮剤を仕入れると、ふたたびフィルシムへ向けて出発した。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 4.セフィロム ある夜---ないしある朝、一同が目覚めると、夢の世界が現実になっていた。なぜかはわからないが、ラグやダグのいる過去の世界から、300年後の自分たちの世界に帰れなくなったことを実感したのだ。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 5.逃避 部屋から出てすぐ、サラはリッキィを家の外へ連れ出し、ここにいてはセフィロムに殺されると告げた。リッキィはラグナーやルギアに「すぐ出よう」と促し、ルギアは宴の用意をしているラグやダグに「ハイブコアの様子を見てくる」と言い訳して暇を告げた。ラグもダグも心象を害したようだったが、そんなことに構ってはいられなかった。 |
[shortland 『夢見石』第2回] サラの第二の手紙 |
神の忠実なる僕、神官サラよりパシエンス修道院の皆様へ。 院長さま、兄弟たち、私は今とても遠いところにいます。とても遠い…もはや帰るあてもなく、この手紙を託すあてもないくらい遠いところです。これが夢なのか現実なのか、未だにわかりません。 先だってとある「石」のことを書き送りましたが、その「石」の力により、私たちはどうやら過去の世界に飛ばされてしまったようなのです。最初はただの夢だと思っていました。目覚めるときはそちらの…つまり、あなた方のいらっしゃる世界で目覚めていたからです。ですが、ある日を境に、そちらの世界で目覚めることができなくなってしまいました。 あるいは、そちらの世界には今もって目覚めず、ひたすら眠り続ける私たちがいるのかもしれません。そうであるにしても、こちらの世界…この過去の夢は、今の私にとってあまりにリアルです。痛みも恐怖も嘆きも、感じられる何もかもがリアルなのです。 時代的にはサーランド時代のようです。私はここでは「能力奴隷」と呼ばれています。ここで、ある人を助けるために「石」を使いました。いえ、その人を助ける以前に、実は仲間を助けたくて「石」を使ってしまいました。使ってみて、「石」が悪いものだとは私には思えませんでした。ただ、ひとの損なわれたる部分は神の力によって癒されなければならないという信念が、崩れ去ってしまったようで私は恐ろしい。 けれどどうしても使わずにはいられなかった。リッキィとルギアがあのまま死ぬなんて、私にはどうしても耐えられなかった。これは私の弱さゆえなのでしょうか。悔い改めるべき弱さなのでしょうか。 私は知っています、病や死の淵から力によって掬い上げることは、必ずしも救いにはならないのだということを。それは院長様、あなたから教わったのです。そしてまた、今までの経験の最中に少なからず実感もしたことでした。けれど、実に目の前で親しき友が死なんとしているときに、救いも何も関係なく、今この手にある「力」で彼らを助けようとすることは、間違っているのでしょうか。私の修練が足りなくて、そのように振舞ってしまうのでしょうか。 おお、艱難は喜ぶべきかな、艱難は忍耐を生み、忍耐は練達を生み、練達は希望を生むもの。来るべき世への希望を生み出すために、私たちは艱難を喜ぶべきなのです。それはわかっています。わかってはいますが……。 「石」はすばらしい力を秘めています。仮令(たとえ)間違った道をとってしまったのだとしても、私は「石」に感謝せずにはおれません。この力で誰もかも救うことができれば、どんなにすばらしいでしょう。ですが、私は「石」を封印すると決めたのです。心残りではありますが、それが神の僕の役割だと判じたのです。ああ、この「石」をずっと手許においておけたなら…。残り少ない日々となるか、無限の日々となるかはわかりませんが、封印するまでの間もこの手に持っていたいと願います。ですが、リッキィやラグナー(仲間の名前です)が酷く心配するので、今はリッキィに預けています。彼らを不要に心配させるのは本意ではありませんし、また、リッキィなら決して「石」を盗ったりしないでしょうから。 これからこの「石」の封印されている迷宮へ向かいます。過去の「石」と現在の「石」を会わせることによって、もしかしたら元の世界へ戻れるかもしれないからです。とても儚い望みですが、私たちにはこの一縷の望みに賭けるしか道が残されていません。夢の世界に残れば、いずれ私は殺されるでしょう。それも「石」ゆえに。 何やら支離滅裂になってしまいました。このような手紙をお送りすることを赦してください。私にもまだはっきりと事態がつかめていないのです。私にはもうわからないのです、何を為すべきかが。 迷宮から無事に現在へ戻れたら、この手紙も破いて捨てましょう。けれど、万策尽きてどうしても戻れなかったとき……そのときにはもう一度「石」の力を行使しようと考えています。せめて仲間は、あの三人は元の世界に帰らせたい。「石」に願うだけで実現するかどうか、それも賭けでしかないのですが、何もしないよりはマシです。ただ、そのとき、私は「石」とともにこちらに残ります。そうすれば「石」はあなた方のおわす現在より行く末にわたって失われ、封印も必要なくなるでしょう。そのときは誰かにこの手紙を託すつもりです。 この一連の出来事も、神が私に下された試練なのでしょう。そう思えば辛くはありません。ただ、もし帰ることが叶わなかったとき、心残りなのは兄弟たち、あなた方と修道院のことばかりです。結局、私は恩を受けるばかりで、それをお返しすることが少しもできませんでした。どうかお赦しください。 そもそも修道院をこの手で持ち直させようなどとは、身のほど知らずな思い上がりだったのかもしれません。ですが神は自らを助くる者を助けてくださる、その言葉を心の支えに、私の振る舞いを過去も未来も神が赦してくださるよう祈ります。 皆様に心からの愛と、祝福を。私のことはどうか忘れてください。 夢の地・恵みの森にて サラ |
[shortland 『夢見石』第2回] プレイヤーのコメント |
あんなところで「石」を使うことになるなんて〜。マスターもびっくりの展開。そしてこれ以後、サラはセービングスローにまるで成功できなくなるのでした。あとは墜ちてゆくばかり。これも「石」の呪いか??? 後半はなんとなく殺伐としていました(笑)。ラグとダグのプレイヤーがうまくて、サーランド王国時代の人間の「魔術師以外は虫けら」的な態度が実に明々白々で(笑)。ルギアの飄々としたロールがせめてもの救いだったかな? ラグやダグとは結局語り合う時間がなく、全く分かり合えないまま物別れになってしまって残念……。治療後、セフィロムがセービングスローで「1」なんてとんでもないダイス目を出さなきゃあ、もーちょっとのんびりできたのに……そしてセフィロムの脅威は次回へ繰り越され、思わぬところでマスターのサドぶりが遺憾なく発揮されることになるのでした。ちゃんちゃん。 |