orangetriangleその他の資料 #16〜#20 <<Previous ■ Next>>

orangedice [shortland VIII-miscellaneous16] orangedice Gの夢6:460年5月15日の夜 orangedice

《あなた》は、禁断の果実に触れることが出来る


 あなたは、私がこわくない数少ない相手。
 私の心をゆるせるひと。
 お喋りしたり一緒に出かけたりするのがとても楽しい。
 なんだかよそよそしいから、そろそろ「さん」ってつけるのもやめたい
 けれど、「ジー」という呼び方がどうしてもできなくて、まだそのまま。
 好きだと思う、とても。
 泣いてる私をキライじゃないって言ってくれた。
 ふつうの人たちは私が泣くと嫌がるのに。
 あなたの前では泣いていてもいいんだって、そう聞こえた。
 でも、決して弱音を吐いてはいけない。
 何故なら、私には大きな負債があるから。
 あなたは、私が償うべき相手なのだから。

 私は君が好きです。
 君とずっと一緒にいたい。
 それは紛れもない私の気持ち。
 しかし、いや、それ故に今非常に不安を感じている。
 君が私のことをどう思っているのか、これからどう思ってくれるのか。
 どうしたらいいのか、どうしてほしいのか。
 私には、何もわからない。
 君が私をどう思っているかさえも。
 私は君を独占したい。
 君に私を好きになってほしい。
 でも、そんな一方的に私の好きだという気持ちだけで、一緒にいられるわけではない。
 そんなことは判っている。
 でも…
 わからないならば、
 私は、君が好きだという事、
 君に選んでもらえる男になりたい、なろうという強い意志。
 このふたつだけは、しっかり自分の心に刻み込んでいこう、と。

 はっきり言ってそりが合わないやつだ。
 それは、第一印象が尾を引いてるのもあるし、いちいちつっかかってくるって事もあるんだが、一番癇に障るのはやっぱり俺と「奴」を混同してる事。
 何かにつけて喧嘩腰だわ、喋ったかと思えば「うるさい、黙れ」、「喋るな」。セロ村じゃ「こいつレスタトそっくりだから」を連呼してくれたし、…ああ「殺すぞ貴様」ってのもあった。
 一体人をなんだと思ってるのかね?
 顔も声も仕種も瓜二つだってことは---忌々しいが双子らしいから---理解できるとしても、だ。
 俺は「レスタトじゃ」ない。
 八つ当たりなんざいい迷惑だ。
 まぁ、尤もこの間の記憶を見るに…ジルウィンだったか…どうやら鷹族ってのは一族揃ってこんな---何を考えているか判らない---連中ばかりのようだから、こんなことを気にするのがそもそもの間違いなんだろう。
 それに「奴」の記憶通りなら「神託」の天使は間違いなくアレだ。となれば捨て置くわけにもいかないしなぁ。
 まぁ、仲間になっちまった以上は仕方がない。
 戦闘時のフォローくらいはしてやるから死ぬな。
 それが正直な気持ちかな。

 ------今は、満足かな。
 ちゃんと自分の足で立っているから。
 最初の頃はとても危なっかしそうだったのが、嘘のよう。
 ちょっと周りの枠からはみ出る事もあるけれど、一生懸命前へ進もうとする姿勢がわたしは好きだな。とても健気で。

 「泡になって消えちゃうよ〜」の件がどうもひっかかっているんだけど。
 できれば早めになんらかの対処をしたいと思っている。
 さらに、彼女自身が大変危うい位置に立っている事もわかった。
 例の泡の人が彼じゃなかった場合、どうなるのかな。
 たとえ同じだったとしても、やっぱり種族の差は越えがたいものなのか。
 せっかくああして仲良くなれても、そんな事で引き離されるのはなんだか嫌だなぁ。
 だって、自分たちの意志以外の部分で「どうしようもない」なんて、とても癪に触る。
 わたしがその立場に立ったら、絶対に承服できないもの。
 なんか良い方法ないかな……
 まあ、彼が「つがい」の相手になるかどうかは別として、二人のじゃれあいは見ていて微笑ましいので、影ながらバックアップしているつもりなんだけど。
 こっそりね。

 でも、パーティ内で最も気にかけている割に、あんまり懐いてくれないからちょっと寂しい。彼女の中では、懐く人とその他大勢にきっちり線引きされていて、自分はどうもその他大勢に分類されているような気がしているんだなぁ。
 面倒見ていたやせっぽちの捨て猫が立派に育ったはいいが、
 向かいの家に居着いてしまったような気分。
 だからといって、自分から構ったりするつもりはないんだけどね…

あなたには、様々な人間関係もみえてきた


 好きだし頼りにしているし、尊敬している。やさしいと思うし、面白くて頭がいい。
 が、いろいろ感じるところがあって、彼女には自分は‥‥‥‥‥‥‥できない。
 一つには、負債ある相手で、その集団の代表のようなひとだから。
 弱音は、彼女の前では吐かないようにしなければ。

 姉さんがいたらこんな感じかなぁ。
 信頼しているし、なにか自分で考えてもわからない事があれば彼女に相談する。
 もっとも、無条件に頼るつもりもなく(頼らせてもくれないだろうけど)自分で出来る限り解決する努力をするつもりではある。
 無駄に反発する事もないし、必要以上に頼りきったりもしない。

 苦労人。面倒見の良さが仇になったとしか思えない。その世渡りのうまさは人生の先輩として学ぶ所が多い。
 「奴」の死を呪いと言ったが、実際は大義名分なのだろう。
 対ユートピア教には欠かせない参謀役なので、悪いが全てが終わるまではつきまとわせてもらおう。


 信頼しているが、何かを相談したりはしない。
 彼女には彼女の問題があり、それと戦っているんだろう。
 なにか俺が役に立つなら手伝うよ。
 ある意味でもっとも対等なのかもしれない。

 外見こそジェラそっくりだったが中身は全然似ていなかった少女。
 おまけに人造生命体で完璧な僧侶らしい。とはいえ、愛されて育てられただけでも十二分に幸福だと思う。「奴」の死に、精神的外傷を持っているらしく俺の素顔を直視できない。
 何か色々揉め事を背負わせてしまっているようなので申し訳ない気もする。そのうち礼の一つも言わねば。

 最近立て続けにいろいろあったせいで壊れが入って少し心配。が、きっとパシエンスの面々がフォローすると思うので手は出さない。
 妙に後ろ向きだったり、神へ縋るところが時々いらつく事がある。他の人たちと違い、彼女にはパシエンスという「癒し」が用意されているので、割と手厳しく現実の冷たさを教えようとする。ただでさえ、「神」への信仰という心の拠り所(逃げ場)があるわけで、少なくとも自分の足で歩いてもらいたい。
 まだ無い情動(割り切れない心の動きとか)や人間性の暗い側面(例えば嫉妬とか)を理解できたら、人間として一人前だろうと様子を見ている。本当の意味での感情を持った彼女は、さぞ「かわいい」娘になるんだろうな、と。
 そうなればキャスリーン婆さんの希望通り、セロ村司祭になるといいんじゃないかとも思う。


 自分にとってサラは姉に等しく、ラグナーさんはその夫で、彼はラグナーさんの弟分だそうだから、兄弟みたいに思えるようになった。少しずつ。
 でも、ときどきむちゃくちゃ怖いことがある。
 特にハイブの話が出るだけでその場を穿つほどの感情が迸る、その強さ激しさが恐ろしい。
 そして、彼も負債のある相手。

 俺もガキだがそれ以上にガキ。甘やかされたからか常識が無く、「ナントカに刃物」状態になること暫し。手より先に口を出せ。原始人かお前は。結局こういうとこでヴァイオラの気苦労が増えている気がする。おまけに変人同士気が合うようでGとラブラブファイヤー。とっとと番(つがい)でもなんでもなってくれれば揉め事が減るものを。これでパーティーの主戦力なのだから、頭が痛い。
 …そう言えば親父の行方探さなくなったな…。

 子供。あきれるほどガキんちょ。ああいう性格に育てた母親と父親の顔が見てみたい。
 最近は自分の意見も出せるようになってきたし、心の拠り所もできたので、このまままっすぐ育って欲しい。
 これで酒が飲めれば理想的な「親父と息子」だったのだが。
 男は自分で強くなれ。だからわたしはあんまり気にかけていない。


 遠慮してしまう。
 彼は負の感情をあまり示さないので、とても話しやすい相手のはずなのだけれど、トーラファンさんに言われたことも気になって、容易に話しかけられない。
 他の人たちの間で埋もれてしまいがちなところもある。でも私は彼も好き。
 ただ、結局は彼も負債ある相手だから……。

 彼は友人だ。自分にとって友人とは、
・対等な関係であり、
・互いの存在がなんらかのメリット(一緒にいて楽しいなど)があり、
・やたらとくっつきすぎたりせず、
・どんなに空白期間があっても、再会したらまた以前と同じ関係を瞬時に取り戻せる。
 そういう関係だ。
 彼が彼である以上、ずっと友人でありつづけよう。眠りから覚めても「よう。」の一言で以前と同じように話しかけるだろう。

 開けてびっくり玉手箱。一番バランスがとれている奴だと思ってたんだがなァ…。

 やっと自分の道を歩き始めたようで、ちょっと肩の荷が下りた。いままでの「おろおろ」「ふらふら」は、本当にただの子犬で、「自分」を持っていない態度に時々いらついていたので。
 しばらく前までクロムの発現にかなり危惧を抱いていたが、リズィとシンクロしたせいで気が楽になった。
「……あれにくらべりゃマシだよね」
 しかし、いつまでも子犬でいてもらっては困る。彼には更なる努力を要求する。
 男ならタイマン勝負で勝ち残れ。そうでないと、わたしの中では価値の軽い存在のままだ。


 最近、自然に「彼」と別人であると区別できるようになった。
 わりあい近くで暮らしていたらしいから、フィルシム市内の話とかもできそうだけれど、そっくりだったジェラルディンさんが亡くなってしまったため、傷口を広げてしまいそうで話しかけられない。
 でもどうしても気になって、つい声をかけてしまう。同情は嫌いかもしれないけれど、それを止めるのは難しい。
 彼からも負の感情は感じる。でも彼とは違う。もっと上向いた感情だから、彼よりは怖くない。

 仕事仲間かな。
 レスターとの類似性はとうの昔に気にならなくなった。あいつはあいつだ。
 適度な距離を保っていると思う。
 それなりに心地いい関係だ。

 このところパーティに馴染んできたようで特に問題ない。
 おバカな事をするのが玉に瑕だが、誰かに財布を預けるとすれば、彼。苦労しただけあって、基本的な生活の仕方、街の歩き方を理解していると見られる。ただし、最近レスタトとリンクし始めているため、この先印象がどう転ぶかわからない。
 自分の中に言いたいことを全部溜めるタイプで、ある意味自分と似ていると思う。だからこっちからせっついて距離をつめる気はない。自分で納得して、信用ができると見極めるまでは、動かないだろうし。
 男なら自分の傷は自分で治せ。だからわたしはあんまり気にかけていない。


〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

L...
 面白いヒトだと思う。ヴァイオラさんといつも一緒のいいヒト。
 でも、彼にも負債があることを忘れてはいない。

 舎弟。彼は(組でいうところの)「身内」だと思っている。よく働くいい手下。
 パーティ内で最も信用度が高い。できの良い部下に対する情愛のようなものを抱いている。


C......
 思慕の情。家族としての情愛。そして絶対の信頼。
 世界は彼を通して得られたから。
 いつも優しく誠実。怒られたことは記憶にない。


S....
 家族としての情愛。ほぼ全幅の信頼。
 優しくしてくれる。いろいろ構ってくれて、言葉でわかるように説明してくれるのが嬉しい。あと、嘘をつかれたことがない。


T......
 ほぼ無条件の信頼。院長様の古いお友だちだそうだから。今までにもいろいろよくしてくださっている。


C........
 頼りになるおばあさん。好きな先生。


J.....
 約束を破ってしまって、大変申し訳なく思っている。これも一応「負い目」。


L....
 以前のように強い憎悪は今はない。
 家族として、その安否と居場所を知りたいだけだ。
 できることならまたかつてのようにみんなで暮らしたいし、親父もその中の大事な一人だから。
 もっとも反発心がなくなったわけでもなんでもない。会えば文句も言うし、手も出るだろうが。


E....
 その安全をもっとも案じている。
 状況から絶望的なのはわかっているが、それでも僅かな望みを捨ててはいない。
 母は自分にとって最大の理解者・擁護者であり絶対的な存在。
 だが、独り立ちしなければと思う。


R......
 なぜ剣に彼の精神が封じてあるのか理解できない。
 ただ、もしそれが故に神の御許に向かえないのであれば自分の手で解放するつもりだ。
 それは、自分が家を離れた時の出来事であり母のもとにいたのが彼だったという自分自身への負い目もある。


K......
 自分の中で一等賞な人。完全なる信頼と信用を勝ち得ているため、どんな荒唐無稽な事を頼まれても二つ返事が返せる。


Fellows of K.....
 「仲間」で「身内」。窮地に陥ったら必ず手を差し伸べ合う間柄。強い信頼の絆で結ばれている。

orangedice [shortland VIII-miscellaneous17] orangedice Gの夢7:460年6月15日の夜 orangedice

『 真 実 』

 初老の男性の…鷹族の長…族長の重厚で威厳に満ちた声が、ガランとした空間に響き渡る。ここは、鷹族の世界たる天空の、中心地にある神殿、そのさらに中心にある大聖堂である。辺り一面が…床や壁や天井でさえも…雲で作られたその神聖な場所には今、族長と《あなた》以外誰もいなかった。
 そこは、《あなた》のような幼人は通常立ち入ることの出来ない場所である。そんな場所に《あなた》はたった一人呼び出された。《あなた》が族長との対面に幾ばくか緊張した面もちでその場に立っていると、
「…人間は好きか?」
 族長は唐突にそう聞いてきた。幼人とはいえ『神の眼』を持つ《あなた》にも族長の真意は測ることは出来なかった。伝わってくる気持ちは真摯で、その言葉がただ戯れの言葉とは思えない。地上を盗み見た件についての話なのだろうか? 戦慄を覚えつつ窺うような瞳で見つめていると、族長はふとその目に柔らかな光を宿した。
「なに、恐れることはない。そなたが禁を破って熱心に『地上』を見ていることは、知っておる。そのことを今更責めたてるつもりはない。学問として『人間』を学んできただけの者と実際『人間』をその目で見た者と…感じ方がどう違うのか、知りたいだけじゃ。率直な意見を述べて見よ。」
 族長は、《あなた》の意見を求めている。この場に二人きりなのは、まだ他の理由がありそうだが、今は質問に答えるしかなかった。
 話すことは余り得意ではない…対等に話してくれる相手がいなかったから。
 《あなた》はゆっくりと口を開いた。
「…人間は、馬鹿で愚鈍、どん欲な生き物だ。それは疑いようもない事実だと思うし、いまのまま放って置けば奴らが世界に害を招くのも時間の問題…いや、もう世界にとって人間は害虫でしかないのかも知れない。でも奴らは…女神にも世界そのものにも存在を許され…愛されている。」
「…私は、人間に、ヤツらの貪欲さや粗野な素朴さに、そのエネルギーに惹かれる。奴らの魂が放つ光は、星のように綺麗では無いかも知れないけれども、やつらの灯す灯りの彩のように…太陽のように、とても温かいものだから。」
「そうか、よく解った。では、…答えはわかっているようなのもだが、あえて問う。『人間』は、ショートランドに必要だと思うか。」
「…そんなこと、私に聞いてどうするんだ? この世界に“必要”や“不必要”といって生み出された生き物などいはしない“不必要”といって生み出される子供がいないのと同じことだ、もっと小さな頃に習ったことを復唱させるつもりか。」
「その通りじゃな。イライラするでない。もう少し儂の話につき合って貰うぞ。」
 族長は《あなた》の憤慨した様子に表情を変えることもなく、淡々と質問を続ける。
「では、獣人のことは好きか。」
 《あなた》の心の中に12種の獣人の姿が浮かぶ。自分と同じ鷹族。そして、人間社会に混じることなく暮らしている海豹族。人間社会に混じって暮らす四大種族。人間世界からはじき出されてひっそりと暮らす猪、蝙蝠、狐族。既に滅んでしまった他の種族。そんなことを聞いてどうするのか、とは思いつつも質問に答えていく《あなた》。
「彼奴らも…私達を含め馬鹿者揃いなのだと思う。結局女神の望みを知りながら何かを成し遂げた奴らなどいないのだから。ただ、それはたとえば迷路に填っているようなモノで…真っ直ぐな道ではないからだろう?時間をかけて多くのモノが失われてしまったけれど、立ち止まりさえしなければ行きたい道を見付けることが出来るはず。諦めたらそこで全てが終わる…どの種族も…我々もな。
 それぞれが必至に足掻いて藻掻く様は崇高だと思う、だから私は獣人達が…好き
だ。」
 その時《あなた》の心の中で思った『獣人』に《あなた》自身は含まれていなかった。
 《あなた》は自分が…少なくとも好きではない。
「では、獣人族もこのショートランドにとって必要だと、そう思っているのだな。」
「当たり前だ。」
「では、そなたはこのショートランドは好きか。」
「大好きだ。」
「では、最後の問いじゃ。この世界の為に『人間』か『獣人』どちらか一方を選ばなければならないとしたら、そなたならどちらを選ぶ。」
 …どちらを?
 《あなた》にとってそれは今までの問いの中で一番実感のわかないものだった。
 どちらも女神の生み出した愛し子だ。
 どちらかを選ばなければいけない、なんてそんなことがあり得るのか?
 それでもどちらかと問うのならば。
「どちらも、だ。どうしても『選ばなければならない』のなら、要らないのは何よりも選者である『私』だな。それで両方とも選ばれぬことなく暮らせるなら。」
「ふむふむ。そなたらしい返答じゃの。ではここで一つ、誰も知らない獣人族の現状について話そうかの。」
 族長は、姿勢を直し語り始めた。
 どうやら長い話になるようだ。
「そなたも知っての通り、我ら鷹族で幼人なのは既にそなただけで…ここ十何年子供は一人も産まれては居らぬ。これは何も我ら鷹族だけに限ったことではなく獣人族全てに共通する現象じゃ。始まりは今から25年前、獣人族の四大聖宝、『聖杯(カップ)』、『剣(ソード)』、『杖(ワンド)』、『金貨(コイン)』がショートランドから失われたことによる。
 時を同じくして世界から『地』、『水』、『火』、『風』の四大精霊もが失われ、獣人族は『聖宝』という直接の力と、『精霊』という後ろ盾を同時に失ったのだ。これは、人間族が俗に言う『魔力の減退期』というものにあたる。
 獣人は、自分達で思っている以上に『精霊』の影響を受けている。『精霊』力の減少は、魔力の減少につながる。そして魔力の減少は、すなわち我々獣人の生命力の減少につながるのじゃ。
 その後、我々獣人の出生率が減少したのはそなたも習った通り。元々出生率の低い獣人にとってさらなる出生率の減少は、一族の存亡に関わる。実際、種族単位ではないにしても滅んだ部族は少なくない。
 さて、人間族の発表ではその後、今から12年前に『魔力の減退期』を脱したことになっておる。しかし実際は…いや、正確には、ほんの一時だけじゃが、確かに脱し
た…が、人間族…正確にはたった一人の人間の男が、その戻った魔力を全て使ってし
まった。
 それ以来、世界の魔力は枯渇しているのじゃ。
 その源たる四大精霊が世界に居ないのじゃから、そうそう世界の魔力が回復する訳もない。結果、獣人族にはこの12年間一人として子供が産まれてはいない。
どの種族にもじゃ。
 この12年間で、海豹族は、女神の言葉を伝える『口』を失い、狐族は、女神の言葉を聞く『耳』を失った。蝙蝠族は、『商い』をする術を失い、猪族は、『農耕』の術を失った。
 これが獣人族がそれぞれの力を失った背景じゃ。そして我ら鷹族も、女神の代行者たる真の『神の眼』を失おうとしている。
 そして来年。26年振りに四大精霊がショートランドに戻られる。やっと魔力が回復し始めるのじゃ。
  そして時を待っていたかのように、女神から神託が下された。『世界に住まうものを決める『審判』の時が来た。成人の儀式をもって、その決定とする。』と。
 この12年間、獣人族は力を失いすぎた。そして人間族は、世界を汚しすぎた。今度こそ、生まれてくる魔力を正しき方向に使わねば、世界そのものが滅んでしまいかねない。
 我らの同胞には思うところが沢山ある者も多いじゃろう。しかし、我らは…いや、そなたは、女神の代行者として、更正で正しい判断をしなければならぬ。『審判』の時はすぐそこまで来ているのだ。
 そなたは、実際に地上に降りて、その目で見て、触れて、想い、感じて来るが良い。そなたの想い、感情、経験、全てが『審判』の礎となるであろう。『審判』に正解など無いのじゃ。そなたの導き出したる答えが、正解となる。どのような答えでも我々鷹族はその決定に従う。もし例えそなたが答えを導き出せなかったとしても、…それはとても悲しいことであるが、それがそなたの導き出したる答えだと思おう。」
 《あなた》は言葉もなかった。
 答えを導き出さない…つまり『つがい』となるものを選ばないということか…と理解はした。『つがい』の相手に通常通り女神を選べば『人間』が滅び、人間を選べば『獣人』が滅ぶ。どちらも選ばずに自分が滅べば『世界』も滅ぶ。族長は直接口にしなかったが、そう言う図式が《あなた》の心の中に伝えられた。
 この場に族長と自分一人しか居ない理由がよく解った。確かに、こんなことを他の者に知られるわけにはいかないだろう。このことを知っているのは、きっと族長と神託を受けた巫女の二人だけに違いない。
 だが、だからといって…それがどうしたというのだ。
 そしてそれが何故…
 《あなた》はやっとの事で口を開いた。最後の方は悲鳴にも似た叫び声になっていた。
「…なんだそりゃあ!? そんなこと勝手に決めるな! 滅ぶのも頑張るのも自分たちのことは自分で決めればいいじゃないか! 他者に…私に選択を依存するな…大体なんで私なんだ! 女神様はそんなに私が嫌いかぁ!!」
 《あなた》は女神に愛されていないと、常日頃からそう感じていた。
 色素のない白い肢体、赤い眼、他の鷹族の者達に比べてひ弱で小さな躯。
 他の鷹族達に《あなた》は密かに疎まれていた…族長と数人の仲間を除いてだが…。それはハッキリと感じ取れていた事だ。ただ、表だってそれを伝えてくるような者はいない…それが《あなた》にとってなにより辛いことだった。
「そなたは女神に愛されておる。そなたの『白』は、神の寵愛を意味するものだ。それに『成人の儀式』を受けていない者は、もう既にそなただけ。…女神の寵愛を受けし者が『審判』を下す。エオリス様はまさにこの時を選ばれたに違いない。少なくとも儂は…そう思っておる。」
「いい加減なこと言いやがって…! ヒトの純情なんだと思ってるんだぁッ!!」
「見ているだけではなく、触れて、感じてくるが良い。その純情とやらがホンモノかどうか。それも『審判』の大切な糧となるであろう。」
「ぐはぁ…」
 族長のささやかに意地悪い言葉に《あなた》はぐうの音も出なくなった。
「『審判』の時は、四年後の鷹の月と言われている。そのころには、そなたも『成人の儀式』を行うに充分なひとかどの強さを得ているであろう。もしかしたらそれよりも早く、成長してしまうかもしれぬ。三年後の夏の終わりぐらいには…」
と、ここで一呼吸置いた。
 …思えばそれが族長の、最後の決断に対する『躊躇い』だったのかも知れない…
「では、行って来るが良い。」
 《あなた》の足下の雲、つまり床が、晴れた…
 《あなた》は、あの人の待つ『地上』に降り…落ちていった。

 頭が、ズキズキと鈍く…時に酷く痛んだ。
 前髪が額といわず頬といわず固まった血液で張り付いて前がよく見えない。
 頭上に光を感じて《あなた》は頭を上げる。
 目の前に誰かが霞んで見え…た。
 白い翼が広がっている…自分たち鷹とは明らかに形の違う柔らかな曲線を描く翼。
 そして黒い…長い…髪と、光を帯びた緑色の瞳。

「エオ…リ…ス…な…ぜ…?」

 次に《あなた》が目を覚ました時、《あなた》には自分の名前すら思い出せなかった。

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

彼の激しい感情の波動が、貴女の心に流れ込む…

 …死んでしまいたい…
 何も考えずに、旅の途中で、知られることなく死ぬことが出来たのなら、どんなに楽だっただろうか。
 あっし…いや俺は、一体何処で道を間違えてしまったんだろう。トール、昔の約束を守れなくてごめんな。シャバク、まだ若いお前の未来を摘み取ってしまってすまん。
 そしてあね姉さん。今まで有り難うございました。もし、姐さんと先に出会っていたら、俺の道も違っていたでしょう。姐さん、今日俺は、姐さんを裏切らせていただきます。

失われていた過去の記憶も甦る…

 あの人は、恐い人。
 あっしが、必至に隠しているこの気持ちを全て見透かされそうで。あの人の前では全て をさらけ出しそうで、恐い。
 全てをさらけ出した時が、この幸せな一時の終わりを告げるときだから。

 あっしの大切な人。あっしのことを初めて信頼してくれた人。
 心優しい人、強い人。
 裏切ってはならない人。裏切らなければならない人。
 苦しいこの心の内を、決して知られてはならない人。
 知られたときこそが、オワリの時だから。
 アッシの心に言葉を掛けられれば、きっとあっしは、心が挫けるから。

 すまないと思っている。
 大切な人を失うの辛さは、良く知っているはずなのに。
 それを知っていながら、何もしてやれなかった。
 選んではいけない答えを選んでしまうであろう事を知っていたけれど、どうすることもできなかった。
 でも、そのことを許してほしいとは思わない。自分のことを大切に思うエゴは誰でも持ち合わせているものだから。ジブンガタイセツダッタカラ。
 でも、俺は願っている。
 どうかその心を闇に捕らえられる事の無いように、と。
 心を闇にとざすのは、負けだから。
 弱き人間のすることだから、自分のように…
 どうかあの人を頼みます。

 もっと、もっと強くなってほしいヤツ。
 何事にも挫けない、本当の強さを持ってほしい。
 守るという事の本当の意味を知ってほしい。
 そしてそれを成し遂げてほしい。
 自分にはそれが出来なかったから…

 危なっかしい存在。壊してしまいそうで、でも壊してはならない存在。
 真っ直ぐに、真っ直ぐに育ってほしい。
 強さを、暖かさを、守る力を手に入れて、人々を導いてほしい。
 正しき道に。幸せを感じることの出来る世界に。

 よく解らない人。
 魔術師は理解に苦しむ。
 でも、自分と向き合える強さを持った人で良かった。
 これ以上あの人を困らせたくはなかったから。

A......(アラファナ)
 恐ろしい人。あの人には生気がない。
 あの人は、死を感じない。だから恐ろしい。
 あの人の心の闇を見通すことが出来ない。
 まるで虚空のような広い闇。
 見てはならない。触れてはならない。
 自分が壊れるから。

F......(ファザード)
 アッシの人生の悪しき起点となった人。
 さすがに実行隊長だけあって、力量は称賛に値する。
 その性格も。
 でもそれだけの人。

F......(ファーカー)
 アッシの人生に血と闘争と闇を持ち込んだヤツ。
 いずれケリをつけなければならない相手。

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

贅沢だと言われたこともある。
くだらない拘りだと揶揄されたこともある。
でも。それでも。
僕は『特別』になりたかった。

〜 独 白 〜

僕は生まれた時から代用品だった。
正確には代用品にさえなれなかったのだが。
僕の生まれた家は神聖ガラナークでも有数の貴族アンプールの家。
アンプールでは代々女尊男卑が叫ばれており、家督を継ぐのも要職にあるのは全て女性だ。この家で僕やルード兄様の存在などさして重要ではない。
この家での15年はそれを嫌というほど思い知らせてくれた。
姉様の周囲にはいつも人だかり。
優秀な教師がつき、何れは国政に携わる者として姉様は磨き上げられていく。
僕たちはいつもそれを遠目で眺めているだけだった。
悔しかった。
だから努力した。
僕はここにいるのだと、認めてほしかった。
けれども。
どれほど武術の腕を上げようとも。
どれほど知識を収めようとも。
いかなる努力も認められることは無かった。
一度も顧みられることは無かった。
思い知った。
罵倒されるより、嘲笑われるより辛いのは無視されることなのだと。
思いつめて母様に聞いたことがあった。
僕は一体何の為に生まれてきたのですか、と
母様は言った。
シャルレインの代わりがほしかった。なのに男だったなんてね、と。
そう言いきる母様には少しもてらいがなかった。
そして僕は。
期待することを放棄した。

時が経ち、兄様は騎士の道を選んだ。
功を立てさえすれば一代かぎりのものとはいえ爵位も領地も授かることが出来る。
このままここで冷や飯食らいで終わりたくはない、兄様はそう言った。
でも僕は違った。
神官の道を選んだ。
戦士となるに何が不足していたわけじゃない。むしろ僕は戦士としての才能に恵まれていた方だろう。でも僕は神官になりたかった。
ここが神聖ガラナーク王国だったから。
格式の高い行事には必ず神官が必要とされる。
国王に王冠を授けるのは大司教の役割だ。
神聖ガラナークでは宗教と政治とはすでに不可分となっている。
大神殿はエオリス正教の総本山であると同時に神聖ガラナークの政治の中枢でもあるのだ。
その大司教ともなればどれほどの発言力をもつことか。
だから僕は神官の道を選んだ。
血筋ではなく、自らの実力を証明するために。
そして、僕の願いはかなえられた。
神は僕だけに「神託」を授けてくださったのだ。

誰もが信じようとしなかった。
そして嗤った。
世迷言だと決めてかかった。
馬鹿な連中だと心の底から思った。
事実を認められない愚か者達を哀れんだ。
自分が神の声を聞けないからといって何故、僕を君達と一緒だと考えるのだ?
何故僕が、君達と「同じ」でなければならない?
よしてくれ。
僕は君達なんかとは違う。
母なるエオリスに選ばれたんだ。
僕は『特別』な存在なんだ。
だから僕の言葉に耳を傾けろ、お前達。
僕に託された神の言葉を。
----「私」に授けられた神の御意志を。

大司教に呼び出された僕は、そこで僕に授けられた「神託」が正式に認められた、という話を聞かされた。
別段、感慨は無かった。緊張も。
それは単なる事実でしかなかったのだから。
だが、続く言葉を聞いた時僕は少し呆れていた。
大司教の言葉を要約すれば、「神託」だと認めてやるからその事実を確かめて来い、といううこと。
大司教ともあろう方が迂遠な事だ。
----いいですとも。証明して差し上げましょう。
僕が----「私」が間違いなく神の意思を体現して差し上げましょう。
「私」----レスタト=エンドーヴァーが。

一癖も二癖もある道連れを従えてセロ村まできた「私」を出迎えたのは。
怪我をして地面に倒れ伏す白い少女だった。
脳裏に浮かび上がる。

----翼をもがれた天使が、大空を飛ぶことを忘れ大地に横たわる----

彼女の存在こそが「神託」の正しさを示す何よりの証ではないか!
----ああ、母なるエオリスよ、御照覧あれ!!
貴方の下僕はまさに今、貴方の意思を体現せしめようとしております!!
「私」はこの時、自らの将来に待つ栄光を確信していた----

しかし、現実は、冷たかった。

何故この「私」がこのような目に----!
原因は分かっている。
侮りがあったのだ。
今回の冒険の目的が猟師を救いに戻るというものだったから。
時折遭遇する怪物を容易く屠っていたことで。
ハイブという敵を侮っていた。
ハイブブルードになる前の幼生体ブルードリングを倒したことでいい気になっていた。
あの戦いで神託の天使----Gが命を落としたという事実も忘れて。
そして、何より。
物語の主人公である自分が死ぬはずはない、とそう盲目的に信じ込んでいた。
----そのツケがこれだった。
今や「私」は----僕はハイブの苗床にされようとしている。
この僕が!
神に選ばれたこの僕が!
ショートランドを救う未来の英雄たるこの僕が!!
神よ、何故です!
何故僕がこのような目に遭っているのです!
僕が神の意思に反した行いをしたのでしょうか?
獣人を許容したことですか?
あの異端者に目を瞑ったことですか?
それとも僕が貴方の意思に適わないとでも
----深呼吸を、一つ。
冷静になれ。考えろ。このままじゃ駄目だ。
このままじゃ本当に僕は、僕達は----
----僕達?
そうだ、ここには他の仲間もいる。
何より僕の天使----Gがいる!
救わなければ、救わなければ!
だが、どうやって?
ここは既に奴らの巣の中。
この体は未だに言うことを聞かない。
ヴァイオラやアルト、ロッツの死体がどこに運び込まれたのかも分からない。
こんな状況で打つ手なんて----
----いや、ある。
たった一つだけ手はある。
だが、
でも、あれは。
しかし、このままでは間違いなく、僕たちは死ぬ。
無駄に死ぬ。
意味もなく死ぬ。
誰にも知られず、誰が知ることもなく。
誰に顧みられることもなく----惨めに。

させない。
そんなことは。
この僕がさせない。
させてたまるかぁ!

いいだろう。
どうせこのままじゃ死んじまうんだ。やってやろうじゃないか。
僕にとって本当に怖いのは死ぬことなんかじゃない。
僕にとって本当に怖いのは。
僕にとって本当に怖いのは、僕という存在が無意味で終わることなのだから!
さぁ、忌まわしき足手纏い達よ! 僕にとって初めてのと----仲間たちよ!
貴様らがどう思おうと知ったことか!
お前達に「祝福」という名の「呪い」を授けてやろう!
全ては僕達が弱かったことに起因するんだ、自分の無力さを怨むんだな!
何も出来ない無力なお前達に僕の「覚悟」を教えてやる!
「----ああ、母なるエオリスよ。汝が下僕の言葉を聞き届けたまえ----」
ああ、Gよ! 愛しくも憎らしい我が天使よ!
その胸に刻むがいい、お前の為に命を落とした者がいるということを!
そう、僕が死ぬのは他の誰でもない----君を救う為なんだということを!
「----我が祈りを聞き届けたまえ----」
何だ、今になって僕は何を震えている。
「----我は今ここに願い奉る----」
決めたんだろう? なら、
「----我が命を、魂を、我が全てを捧げ願い奉る----」
今更迷うな! 「レスタト=エンドーヴァー」!!
「----癒したまえ。救いたまえ。我が同胞たる彼の者達を。
 ----運びたまえ。導きたまえ。彼の者達を安息の場所へと。
 ----損なわれることのないよう、喪われることのないよう。
 ----彼の者達に汝が祝福を与えたまえ。
 ----彼の者達に汝が奇跡を授けたまえ。
 ----我が願いを、どうか聞き届けたまえ!!」






でも僕だって、本当は……

orangedice [shortland VIII-miscellaneous18] orangedice 聞こえるはずのない会話(第22話より) orangedice

「どうしたんですか、ジャロス。空なんか見上げて。」
「ん? いや、あの崖の上に、麗しき美女が居たんでね、愛想を振りまいておいた。」
「あんな所に人が? 今は見あたりませんが。よしんば居たとしても、この距離でよく女性だと見分けが付きましたね。その上その方が美人だと、どうして判るのですか?」
「そりゃ、俺には美人センサーが付いてるからな。俺好みの女性は見逃さないぜ。あれは、いい女だった。俺が保証する。」
「…保証されても…」
「そのセンサーを、索敵にも利用してもらいたいものですな。」
「なんだ、クインティ。俺とスコルの談笑の邪魔をするなよ。」
「判っていると思うが、我々は今、極秘任務中だ。美女だかなんだか知らんが、人に見られることは避けるべきだ。お前のセンサーでは、何人ぐらいだった?」
「う〜ん、多分一人だと思うけど。」
「ならば、お前の能力で、調べてくるんだな。ついでに殺して来て貰おうか。」
「多分、無理。もう居ないみたいだから。」
「もう居ないって、お前、私を馬鹿にしているのか?」
「だって、もうセンサーに反応しないし。それにこんなところで時間取ってて良いの? フィルシムで蒔いておいた餌に食らいついて来た哀れな冒険者達が、後を追ってきているんじゃなかったっけ? 今ここで追いつかれたら、不利だよ。な、バーナード。」
「その通りだ。クインティ、これの設置が第一目標だ。先を急ぐ。判ったな。」
「確かに。これをちゃんと設置して貰わないと、私も困る。リーダーの意見には従おう。…しかし、バーナードは、ジャロスに甘いですな。」
「ん? 何か言ったぁ?」
「いや、何でもない。先を急ごう。」
か細い獣道を森の奥へと進んでいく2台の馬車であった。

orangedice [shortland VIII-miscellaneous19] orangedice 「三つの道」迷宮情報 orangedice

(1) 大部屋(20フィート四方)
この部屋には、30体をハイブが待機。四角の壁際に各3体のロングボウハイブ、中には12体のトゥハンドソードハイブ、2体のハイブリーダー。リーダーと剣ハイブの半数はプレートメイル着用。
ドアに鍵は無し。

(2) 通路1
両岸の部屋に、ロングボウハイブ各3体。南側の壁際に『インビジビリティ』で隠れたハルバードハイブ各3体が防衛線を張っている。

(3) 3つの通路(60)
扉の前にクロスボウハイブ3体×2段待機。更に防御壁を制作中。

(4) 3つの部屋
中央の部屋がメイン。6体の大剣ハイブ、3体の武器無しハイブ、人間戦士(セリフィア)、女僧侶(アナスターシャ)、男魔術師(ディートリッヒ)、盗賊(ロッツ)がいる。リーダー格は、アナスターシャ。
左右の部屋には、12体の大剣ハイブと1体のハイブリーダー。

(5) 研究所
ハイブ研究施設あり。訓練場をかねる。このコアのハイブの練度は高い。特に大剣ハイブの技量は騎士級。

(6) コア
ハイブマザーと卵、置き場。マインドの所在が不明。獲得呪文と技能についても不明な点が多い。少なくとも7レベル僧侶と魔術師の犠牲者が居ること、ロングボウ、クロスボウ、ハルバードはエキスパートクラス。トゥハンドソードのランクは不可解な点が多いがエキスパート以上。

orangedice [shortland VIII-miscellaneous20] orangedice ●●●● orangedice

Now Printing


<<PREVIOUS ■ DATA INDEX ■ ラクリマ・TOP ■ NEXT>>