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orangedice [shortland VIII-Letter01] orangedice
  orangetriangle459年11月:ガラナーク神殿よりフィルシム、クダヒ両神殿への親書

ガラナーク神殿

神聖なるガラナーク王国神殿の勇敢にして信心深き神官が女神エオリスより御神託を賜れた。ついてはその御神託に従い貴フィルシム王国内にあるセロ村及びその周辺の調査にかの者を使わすことを決定した。
そこで、貴フィルシム王国内において女神エオリスの威光を知らしめたる貴神殿にかの者の協力を要請する 。
女神エオリスの名において、ショートランドに真の平和と繁栄をもたらさんことを。

ガラナ ーク大神殿 神殿長
フィッツ・G・トゥルシーズ

orangedice [shortland VIII-Letter02] orangedice
 orangetriangle 460年1月:フィルシム神殿よりヴァイオラへの親書

親書

親愛なるヨカナン・トルゥ=ヴァイオラ殿

 この度のセロ村での探索行、大儀である。そなたより受け取った信頼性の高い情報は、我々、フィルシム神殿にとって、大変有意義なものである。早速、王宮を動かし、ハイブコアの探索及び掃討、今回の事件を背後から操っているユートピア教の殲滅に全力を傾けるよう努力しよう。
 今後の捜査の役に立てるよう以前の事件についての要約を伝える。
 459年8月に起こったフィルシム内でのハイブ騒ぎは、街の中であったにもかかわらず、発見が遅れ、コアはかなりの規模になっていた。これは、初期にコアに対して駆け出しの冒険者が送り込まれ、コアの強化がはかられていたこと、コア自体がうち捨てられた迷宮内にあり、発見、殲滅に時間がかかったことがその理由として挙げられる。
 結局この事件は、ラストンから流れて来たルギア・ドレイクと名乗る大魔術師(ネームレベル以上)を初めとするネームレベル直前の急造パーティが殲滅する事ができた。
 しかし、この事件で我々がつかんだことは、冒険者を雇うことが出来る組織力と資金力を持つ組織でかつ、打ち捨てられた迷宮を探索、復元できるだけの技術力と能力を持っている、ということまでしか判らなかった。ラストンの陰謀説、ガラナークの陰謀説、カノカンナの陰謀説、又は自国内のテロ活動など、諸説出たがどれも決定的な証拠は出てこなかった。
 今回その背後関係が判ったことが、最も重要なことである。そして同時に脅威でもある。ユートピア教を名乗る者達の台頭は、頭の痛い問題である。このような状況下において、邪教徒が勢力を伸ばすには絶好の機会とも言える。しかし、正直ここまでの組織力を持っているとは考えていなかった。
 我々は、全力をもって邪教徒を排除しなければならない。当然人間にとって脅威となるハイブもである。このような事件は、フィルシムの周辺の村々でも起こっていることであろう。早速その調査に乗り出そうと思う。
 それで、既にハイブコアがあることが判っているセロ村については、早々に前例に倣い、ネームレベルに近い冒険者を捜し、討伐に向かわせるように手配する。それまで、そなた達には、少々荷が重いかも知れぬが、ハイブコアの所在の調査、及び周辺のハイブの討伐を行ってもらいたい。又、村人に被害が出ないように注意してもらいたい。
 以下にあげるものは、今回の調査費用及びもしもの時に使用して欲しい。そなたの仲間又は、セロ村の重要人物が被害にあった時、完全なハイブブルードになる前なら、治すことが出来る。
 諸君らの健闘と安全を祈っている。

フィルシム神殿大司祭代理 レグレタヴル・ロウニリス

同封物
 ガーネット(100gp相当)10個
 スクロール「キュアディジーズ」

orangedice [shortland VIII-Letter03] orangedice
 orangetriangle 460年1月23日:セロ村へ伝書鳩がもたらした情報「ラストン陥落」

外電より入電…

ショートランド歴459年12月30日。ドラゴン及びマンティコア、アンデットを含んだカノカンナ軍は、通行不可能なはずのディバハ湿地を抜け、闇夜に乗じてディバハ市に侵攻した。

この電撃作戦は、見事成功を納め、翌SL460年1月1日朝方にはディバハ市は陥落。ラストン臨時政府は瓦解し、ラストン王国の長い歴史は幕を閉じた。

尚この作戦遂行に当たり、カノカンナ軍には、略奪許可が出ていた模様で、金品や食糧、マジックアイテムなどの略奪、女性に対する暴行、殺人など、市民に多数の被害が出た。又、被害を逃れるため、市民がディバハ市を脱出、難民となって周辺6町村に向かったものの、怪物や折から騒がれていたハイブの被害により多数の行方不明者を出すという二次被害も多数発生した模様。

更に周辺情報として、周辺町村のうち最大規模を誇るフランチェスコ町は早々にカノカンナに恭順の意を示した。この素早い対応に対して、一部では内通者がいたのではと言われている。他の5村に関しては、未だ態度を保留している模様で、近くそれらの村に対して掃討作戦が行われると見られている。この作戦の成功如何では、食糧のさらなる高騰が予想される。

この勢力図の変更により、カノカンナは正式にカノカンナ王国の設立を宣言、完全にフィルシム王国から独立した。現在、フィルシム王国とガラナーク王国は態度を保留。確かな筋の情報によると、ガラナーク王国は、ハイブ騒動の決着次第で、フィルシム王国は独立を認めない方針だと言われている。ただ、ラストン臨時政府の高官、メディヴェ・オッファルトとライカールト・マクウィニーは共に行方をくらましており、もし仮にラストン市内に他のラストン政府高官が、生き残っていた場合、さらなる事態の転換が予想される。

以上、冒険者ギルドディバハ支局情報部よりお伝えしました。

orangedice [shortland VIII-Letter04] orangedice
  orangetriangle460年2月:ガラナーク神殿よりヴァイオラへの親書

親 書

親愛なる同志 ヨカナン・トルゥ=ヴァイオラ殿

この度の報告ご苦労であった。
今後の支援に関してだが、フィルシム国内のことであり、政治的な意味合いでもガラナーク神殿が積極的な関与をする事は大変難しい状況となっている。
しかし、ハイブは女神エオリスに認められていない、全世界共通の敵であり、このショートランドから駆逐しなければならない存在である。
同志が、貴国内のセロ村にあるハイブコアを駆逐し、世界平和に貢献することを期待する。
同志の未来に女神エオリスの祝福があらんことを。
 
ガラナーク大神殿 大司教 フィッツ・G・トゥルシーズ


同志の質問事項に対する返答を以下に記す。
解釈についてだが、神託の解釈は大変難しいモノであり、ガラナーク神殿は神託を受けた本人に解釈を委任してあった。

北の大地、深い森の中、前方には雪を被った山脈
見上げれば、降り始める、白き雪
翼をもがれた天使が、大空を飛ぶことを忘れ大地に横たわる

雪は全てを覆い隠す
深き森の北の端、魔導師達の夢の跡
いにしえより旅人達で賑わう村
深きところ、浅きところで人々の生業に寄生する
静かに、徐々に、しかし、確実に

心に光を持ちし者達
かの地で、真実を見付けるだろう
それが、正しき『道』?
それともまがいものの『道』?
それらを見る『眼』はきっとそなた達の中にある

orangedice [shortland VIII-Letter05] orangedice
  orangetriangle 460年2月:スルフト村村長よりセロ村村長への返書

コルツォネート・カークランド村長より

ご依頼の件、喜んでお手伝いさせて頂きます。若い未婚の猟師を4名ばかりそちらの村に移民させるよう手配を取りました。後日受け取りに来るよう願います。
礼については、お気になさらずに。移民する者は、性格面を含めて我らがスルフト村と貴セロ村の品位を落とさないであろう人物を選定いたしました。彼らが、貴セロ村に受け入れられ、以後セロ村の村民として生活していけることを切に願います。

orangedice [shortland VIII-Letter06] orangedice
  orangetriangle 460年3月23日:Gよりパシエンスのサラへの手紙

サラさんへ

私はラクリマさんの旅仲間のGといいます。
約束が嘘になってしまいました。
ラクリマさんを守れませんでした。

敵からラクリマさんの身体は守ったけど、私がラクリマさんの知りたくないような昔の事を考え無しに教えてしまって、そしたらラクリマさん笑ってました。
そのあと、後悔して謝ったら「なにがですか?」って聞かれました。
そういう風に辛い事を無かった風にしちゃう人が、ガラナークでは一番発狂しやすい人だから、とても心配です。
ラクリマさん壊してしまったかも知れません。
私が言った事はラクリマさんにとってとても辛い事だったみたいなんです。

私はラクリマさん大好きだけれど、私はラクリマさんの特別じゃないから、ヴァーさんが言うみたいに「クレリックたる者の試練」って信じて見まもるのが一番良いんだと思います。
でも、サラさんには、ちゃんと信頼している人には、どうしてもの時、弱みが見せられるんじゃないかと思うんです。
私が言うのはおかしいですが、どうか、ラクリマさんを助けてください。
どうかおねがいします。

orangedice [shortland VIII-Letter07] orangedice
  orangetriangle 460年3月24日:パシエンスのサラよりGへの手紙

Gさんへ

 お手紙をありがとう。読ませてもらいました。

 まず、それだけラクリマのことを大切に思ってくれて、とても嬉しく思います。本当にありがとう。
 あなたのような優しい人と一緒だと思うと、私も院長様も安心していられます。お世辞などではなく、心からそう思います。

 「言ってしまったこと」がラクリマにとってどれだけ辛いことだったのかは測り知れませんが、あなたも辛い思いをなさったでしょう。きっと一緒に傷ついてしまったのでしょうね。
 けれど、どうか元気を出してください。
 そこで「あなたが言った」ことは間違ったことなんかではなく、おそらく何かの意味があることなのです。私は、この世に無駄な物事など何一つ無いと信じていますから、そう思います。運命のような大仰なものではないけれど、意味のある「めぐりあわせ」だったのではないでしょうか。
 その「めぐりあわせ」が善いものとなるかどうかは、あなたやラクリマの今後の頑張りにかかっているでしょう。
 辛さを乗り越えて一緒に協力しあい、善き道を探してくださるよう、願っています。

 それから、あなたは「守れなかった」と告白されましたが、私はやっぱり「あなたが守っている」のだと思います。
 どうしてかというと、本当に心が壊れそうな衝撃があったのだとして、それでもラクリマがちゃんと立っていられるのは、なぜなのでしょう? あなたや他の仲間の人たちが彼女を大切に思うことで、守っているからです。まだお若いあなたにはわからないかもしれませんが、だれかを大切に思うことは、そのままそのだれかを守ることになるものです。
 確かに、彼女は忘却によって現実から逃げているのでしょうから、良い状態ではありません。でも、本当に壊れるときは、そうやって逃げることすらできないものなのです。
 今後も、よりいっそうあなたがたの支えが必要になるでしょう。
 ご迷惑もおかけするでしょうが、どうか力になってやってください。

 返事が最後になってしまいましたが、ラクリマのことは私も気をつけてみるようにします。
 Gさんも何かあったら(ラクリマのこと以外でも)遠慮なく相談してください。私で力になれることがあれば、喜んで協力したいと思います。

 恵み深きエオリス母神が、あなたとお仲間のうえに愛と平安をもたらしてくださいますように。

パシエンスのサラ

orangedice [shortland VIII-Letter08] orangedice
  orangetriangle 460年6月:Gよりセリフィアへの手紙

セリフィアさんへ

私はあなたとつがいたい
隠し事の告白のためにこの手紙を送ります。
もし、あなたがそれを望まないのなら…あなたに嫌われたくはないので、この手紙は読まずに焼却してください。

本当は、ちゃんとこの口で話さなければいけないんだと思う。
こんな風に手紙にするのはいけないのかも知れない
でも、顔を見て話したら…きっと私はちゃんと話せないと、自分を弁護してしまうんじゃないかと思うのです。
だからどうか、この告白を手紙ですることを許してください。
そして、一生懸命書くつもりですが…読みにくかったらごめんなさい。

一つ目の告白です。
私は、ハイブが…あなたの憎んでいるハイブが、嫌いではありません。
むしろ狩人のガサラック達と小さなコアを潰したとき、マザーに襲いかかる皆を見て、ハイブが可哀相だ、と思いました。
もちろん、我々と敵対しているハイブは敵ですし、生命維持のために戦っている彼らを倒す際に手加減したいと思ったり憐憫を感じたりはしません。
ただ普通に戦っている敵以上の感慨は…彼ら自身に対して持っていないのです。
通常予測される繁殖以上に彼らを増やそうとしているユートピア教は許せませんが。
…今まで私がハイブを憎んでいたことは知っていると思います
でも、私はハイブ自体が憎いのではありません。
ハイブを見て憎いと思ったり積極的に殺したいと思っていたのは、その姿に人間を、母さんの処刑の際歓喜の声を…母さんの死に対して喜びの歓声を上げた人間どもを…重ねていたからです。
ガラナークの人間だけじゃなかった、そこにはフィルシム人もラストンの生き残りも居た…たくさんの人間がいた。
私はハイブに…彼らが最も憎むハイブに彼らの姿を重ね合わせ…戦い、殺してきました。
本当なら、同じようにハイブを憎んでいるのだと言ってあなたと一緒にハイブと戦う資格は、私にはなかったのです。
ごめんなさい。

もう一つは、母さんのことです。
母さんは無実です。
それは、信じる信じないではなくて…事実です。
母さんはハイブの召喚を「止められなかった」と言いました、母さんはハイブを召喚した犯人ではありません。
母さんが処刑されたのは

母さんが処刑されたのは、私が彼女がハイブ召喚の犯人だと密告した為です。

母さんは王族でした そして財務大臣は彼女を愛しているのだと私は思っていました。
だから、ガラナークのあの寒い牢獄に、彼女を一生閉じこめてくれるかも知れないと、思ったのです。
母さんは、いつもいつも飛び立ちたがっていました。
殺すのが嫌いで、定住思考で、専業主婦が夢だという人でした。
でも、一つ所にいられる人じゃなかった…ガラナークにいたのは、夫が軍人としてそこにいるという事と、愛しい妹の意志を継ぐという責任の二つの理由があったというだけです。
「運命の日」から、彼女は本当にどこかへ行ってしまいそうだった。
行こうとしていたんだと思います…私の知らないどこかへ、そして私が一緒に行きたいなんて、カケラも思っていなかった。
私は、彼女の夫が「運命の日」に行方不明になったと聞き、彼女がいつも口にする下品な恋人と駆け落ちしてしまうんだと考えました。
私を拾っておきながら、いつもおいていくことを考えていた彼女を、私は憎みました。
だから、財務大臣に…私の世話を焼いてくれた優しい人に彼女がハイブを召喚したのだと、密告したのです。
母さんは追われて逃げました。
でも、私は…その母さんを戻らせるための囮さえ引き受け、私という人質を取られた母さんは…あの優しいひとは、ガラナークに戻り、捕らえられました。
そして…彼女は、私の思惑を超えた想いを持っていたメ…財務大臣の裁量によって、公開処刑に処されたのです。
そのあと、母さんの話してくれた恋人と…彼女の夫が同一人物であったことを聞きました。
彼女は最愛の人が行方不明だったにもかかわらず、私が幼いから…飛び立ちたいのを我慢して、ガラナークにいてくれたのです。

だからほんとうは…私は母さんの処刑に立ち会った人たちを、母さんの死を喜んだ人たちを…憎む権利なんて無いのです。
母さんを殺したのは、私だから。
それでも私が死なないのは、母さんが背中を押してくれたからです。
…信じてもらえるとは思っていません、でも本当に、母さんが現れて、窓の外に押され、その下に来た鳥たちが、私をセロ村付近まで運んだのです。
多分、死ぬ前にセロ村のハイブコアを、レスタトの言った通りに私が潰さなければならないんだと思います。
自分がとても、嫌でした。
戦いの中で全力を尽くして、敵わぬ敵に敗北して自然に死ねたら何よりだと思っていました。
受け入れてくれる人たちが居て、居てもいい場所があって、そこにいるのは汚い自分じゃなくて…そしたら、傲慢の極みでいっそ気持ちがいいだろうと思いました。

すべてのチャンスは、レスタトに潰されました。

今は、でも、死にたくは、ありません。
セリフィアさんが好きだって言ってくれた笑顔の私は、本当に私かどうか、私にはわからないけれど
もし、あなたが望んでくれるのなら
ずっと、一緒にいたいです。

もし、私を好きでなくなったとしても、どうしても耐えられないようでなかったら、セロ村のハイブコアを潰すまで一緒にいさせて下さい。
そのときは無視してくれていたら、何も 嫌なことはしません。

orangedice [shortland VIII-Letter09] orangedice
  orangetriangle 460年6月:眠れるアルトより仲間への手紙

 突然、目が覚めてしまいました。強力な魔力にあてられたせいで、アミュレットの鎖が外れたからです。ヘルモークさんも虎の姿でいないと、この魔力の元では体がもたないと言っていました。
 魔力の源は今日の満月と村長さんの家の地下に感じました。
 これ以上起きていては、僕ももたないので再び眠ることにします。
『月の魔力は時が満ちたことを示し、村長宅の地下では何らかの解析が完了した』
 ---今の僕が伝えておけるのは、これだけです。
 それではお休みなさい。

6/15 アルテッツァ・シリル・ノイマン=ステップワゴン

P.S. 指輪の色は白でした。安心してください。

orangedice [shortland VIII-Letter10] orangedice
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