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orangetriangleハイブとは何か 〜導入編〜

orangetriangleハイブファミリー 〜それぞれの役割〜
   ハイブブルードブルードリングブルードマザー
   ハイブリーダーハイブマインド

orangetriangleハイブはどう振舞うか
   ハイブは獲物を何で見るかハイブは獲物を何で狩るか

orangetriangle特殊能力 〜技能の摂取と伝達〜
   技能の摂取技能の伝播技能の受容技能の行使

orangetriangle続・ハイブとは何か 〜分析編〜
   要注意事項弱点はないか脅威の本質

資 料
   
能力一覧表
   ●技能のラウンド処理について<準備中>
   ●ハイブのお姿<準備中>

※一部にハウスルールによる記述が含まれています(能力一覧表はルールブック通り)。

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ハイブくん

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ハイブとは何か 〜導入編〜
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ハイブくん

生徒 先生、ハイブって何ですか?
先生 モンスターです。
生徒 身も蓋もありませんね。どんなモンスターですか?
先生 アリや蜂に似た社会構造および生態をもつ昆虫みたいなモンスターです。
生徒 なんだ、ムシかぁ。でも大きいんですか?
先生 人間と同サイズです。しかし彼らの怖さはサイズにあるのではありません。
生徒 何が怖いんですか?
先生 彼らは寄生生命体なのです。他のモンスターに---これにはもちろん人間も含まれますが---寄生し、彼らを操り、ついにはその個体をのっとってしまいます。
生徒 のっとるって、どういう感じですか?
先生 元の個体の意識が消滅します。残った体は新たなハイブとして、ハイブ全体に奉仕をするようになります。まぁ、体は生きているわけですが、デカルト式に考えるなら、自我が消滅するのですから「殺される」と言ってもいいでしょう。唯物論の立場からすると、物体は同一性を保っているのですから死んでいないと言われるかもしれませんが……しかし、細胞単位で考えるとやはり半分近く組織変化が起きているだろうと思われるので、すでに同一個体とは言えないかもしれませんね。
生徒 難しくてよくわかりません〜。要するに体は生きてるけど、精神はハイブになっちゃうんですか?
先生 その通りです。
生徒 (最初からそう言ってくれればいいのに…)
先生 そういうわけで、彼らは自然に生殖するよりもはるかに速いスピードで増えることができるわけです。増えれば増えるほど異種族を襲う力が増し、寄生率も高まるという厄介な生き物なのです。

ハイブくん

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ハイブ・ファミリー 〜それぞれの役割〜
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ハイブくん

生徒 ハイブって、「ハイブ」が正式名称なんですか?
先生 そうとも言えるしそうではないとも言えます。というのは彼らの本質が---
生徒 先生、本質の話はあとでいいです(汗)。ハイブって、何かの略称なんですか?
先生 そうですねぇ、一般に「ハイブ」と言うときには「ハイブブルード」を指すことが多いようです。
生徒 ハイブブルード?

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 ハイブブルード
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先生 ハイブブルードは、ハイブ社会の中でもっとも数の多い構成員です。働きバチみたいなものだと考えておけばいいでしょう。
生徒 働きバチですか。じゃあ食べ物を取りに行ったりするんですか?
先生 まさにその通りですね(溜息)。餌も取りに行きますが、同時に新たな「宿主」も捕獲しに行きます。
生徒 「宿主」?
先生 先ほど「寄生する」って言ったでしょう。寄生虫なんかが宿って食い物にする生命体のことを「宿主」と言うのですよ。ハイブの宿主はたいがいヒューマノイドモンスターです。
生徒 じゃあ人間も……
先生 ヒューマノイドモンスターの中で一番数が多いのは人間です。鋭い牙も爪も速い足も聡い耳も、およそ身を守る能力はほとんど退化している種族ですし、人間が一番のターゲットになると言って過言ではないでしょう。ハイブブルードたちは人間を襲い、捕獲して新たな宿主にしてしまいます。襲ったときに運悪く宿主候補が死亡した場合は、素直に餌として持ち帰ります。
生徒 うええええ……その、宿主ってその場でハイブブルードになっちゃうんですか?
先生 それはさすがに無理です。宿主は巣に連れ帰ってから、ブルードマザーの産んだブルードリングを植え付けられます。その段階を経てのちに、ハイブブルードとなり、他のハイブブルードと一緒に「巣 hive 」の保全に励むようになるわけです。食料調達、宿主捕獲、そして外敵の排除など、ね。
生徒 なんかもう聞きたくない気がしますけど、一応教えてください(汗)。今、話に出てきたブルードリングって何ですか?

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 ブルードリング
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先生 ブルードリングは幼虫です。いや、幼体かな。私も実物を見たことがないのでわかりません。
生徒 いいです、幼虫でも幼体でも別に見なくて…。
先生 冒険譚で「ブルードリングが現れた!」というような場合、それは「ブルードリングに寄生され同化した宿主が現れた」ということと同義です。ええと、実際に見たわけじゃないのでわかりませんが、宿主の腹部などから入っていくんですかねぇ、柔らかいですから。それとも鼻腔や耳なんかの穴からかな……
生徒 だから見なくていいですって(汗)。
先生 どういう形で宿主の中に入れられるのかはわかりませんが、ブルードリングは中に入ると、自分自身を宿主に適応させ同化させます。
生徒 拒否反応とか出ないんですか?
先生 聞いたことがありませんねぇ。進化の過程で巧妙に細胞核をだまくらかす方法を手に入れたんでしょう、きっと。まぁ、とにかくそうやって1日経つと、宿主とブルードリングは意志ならびに目的において単一のものになると言われています。
生徒 ???
先生 ぶっちゃけた話、宿主にはまだほんの少しだけ以前の意識というか記憶というか「宿主らしさ」が残っているんですが、この時点ではもうすっかりブルードリングに操られてしまうということです。仮令(たとえ)自分の息子が相手でも、ブルードリングとして必ず攻撃してしまうような。
生徒 いやですね。
先生 この1日の間に、宿主とブルードリングの代謝作用にはさまざまな変化が起こります。目に見える変化は、宿主の膚がキチン質になり、目には薄い膜ができることです。
生徒 チキン質?
先生 「鶏 chicken 」じゃありません、「キチン chitin 」です。
生徒 聞いたことありません。
先生 しょうがないですね。キチンというのはアミノ糖の一種です。無脊椎動物、特に節足動物のかたい表皮や殻の骨格中に含まれたり、菌類・細菌類の細胞壁の重要な構成要素となったりしています。N-アセチル-D-グルコサミンの重合体で、ふつうはタンパク質などと結合し、さらにポリフェノールが結合したりカルシウム塩が沈着したりします。
生徒 先生、専門的すぎてわかりません(汗)。で、「キチン質」ってなんですか。
先生 昆虫の外殻の様子をそう言います。まぁ、この場合、化学的にはキチンのみではなく、キノン硬化タンパク質などが含まれるわけなのですが…
生徒 要するに膚が昆虫みたいに硬くなるんですね。アリの表皮みたいに。
先生 何しろ昆虫ですからね。
生徒 (説明が長すぎるよ…)
先生 とにかく、この時点で宿主は硬くなって、動き方も昆虫に近くなります。重要なのは、ここからすでに巣の一員として一緒に働き出すということです。
生徒 たった1日で!?
先生 そうです。だから言ったでしょう、「生殖よりはるかに速い」って。
生徒 もう絶対に元には戻らないんですか、そのひと?
先生 実は、ブルードリングの状態であれば助けることができます。キュアディジーズかキュアオールの呪文をかけると、寄生しているブルードリングだけを殺すことができるからです。
生徒 わあい!
先生 ただし、ブルードリングは死にますが、元・宿主が身体に悪影響を受けてしまうのは免れられません。ブルードリングによって代謝作用を変更させられたせいで元・宿主は、D&D風に言うなら、教養・知恵・敏捷・魅力のそれぞれの能力値に1D6のマイナスがついてしまいます。
生徒 カンペキに元には戻らないってことですね…(涙)。
先生 でもいいこともあるんですよ。膚がキチン質になったおかげで、アーマークラスの値が以前より1つ良くなるんです。
生徒 そんなヘンテコな膚はイヤです〜(涙)。
先生 まぁ、でも完全にハイブ化するよりはマシでは。宿主と同化してから数日経つと、ブルードリングは5〜8時間の間、休眠状態に入ります。この間、外側の皮膚を落として完全なハイブブルードに成長します。ハイブブルードになってしまうと、元の宿主らしさは一切合財失われます。精神もそうですが、肉体的な能力や特性も、ほとんどの場合はなくなってしまいます。そして一人前の働きバチとして巣のために労働し始めるわけです。
生徒 肉体的な特性って何ですか?
先生 たとえば、泣きぼくろがあるとか、中指が人差し指より短いとか、そういうことです。
生徒 本当に全部なくなっちゃうんですか?
先生 たまに元の宿主の癖や生活リズムが残ったりするようですが、それも他との共同生活に支障を来さず、没個性の範囲を脱しない程度に留まります。
生徒 は〜…。あれ? そうすると、獣人みたいに「変身」するヒューマノイドに寄生した場合はどうなるんですか? 「変身」できなくなるんですか?
先生 ああ、その問題がありましたね。ハイブブルードになってしまえば、宿主の元の能力は失われますから、「変身」できません。でもブルードリングのうちは「変身」可能です。オオカミ人間に寄生していたら、オオカミに変身したときの能力を使えます。
生徒 う〜ん、ブルードリングだからって、弱いとは限らないんですね。ところで、ハイブの増え方はわかりましたけど、元のブルードリングはどうやって増えるんですか?
先生 それはブルードマザーが生み出すんですね。

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 ブルードマザー
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先生 ブルードマザーは、女王バチのようなものです。子供を産むためだけに存在します。
生徒 本当に蜂みたい…
先生 ああ、そうそう、実際にマザーがやることは出産だけですが、マザーにはとても重要な仕事があります。それは「子供たち」の「献身の対象」となることです。
生徒 「子供たち」って……
先生 ハイブブルードやブルードリング、それからまだ話していませんが、ハイブリーダー、ハイブマインドなどの巣の構成員たちのことです。マザーはこれらの構成員すべてから「熱狂的な」献身を受け、養われ守られます。
生徒 「女王サマ」ってやつですね。
先生 ただ、この女王様はハイブブルードたちのように動き回ることができません。
生徒 はぁ? 歩けないんですか?
先生 そうらしいですね。マザーは子供たちに較べて非常に体が大きいようです。しかしまぁ、「動けない」というのはサイズのせいというよりは、「出産」に特化された体を持つせいでしょう。少しは動けるのでしょうが、足なんかもう退化してるんじゃないですかね。先ほども言いましたが、マザー自体は「出産」以外ほとんど何もしないし何もできないのです。自分で餌を取りに行くこともできないはずです。構成員が運ぶ餌で生きながらえて、あとはひたすらブルードリングを産むだけですね。
生徒 いやな人生……。そういえばハイブ…? なんでしたっけ? ハイブブルードとブルードリングの他にも何かいるんですか?

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 ハイブリーダー
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先生 ハイブブルード、ブルードリング、ブルードマザーと説明しましたが、あと2種類の構成員がいます。そのうちの一つは、ハイブリーダーです。
生徒 「リーダー」とつくからにはやっぱりリーダー…?
先生 そうです。ハイブリーダーはハイブブルード、つまり働きバチのリーダーに当たります。彼らはハイブブルードやブルードリングたちに「命令」を与えることができます。
生徒 ムシのくせになまいき〜(涙)。
先生 「命令」の与え方は、ニオイの放射によってなされると言われています。が、ニオイの物質を実際に有効数以上サンプリングして分析した学者がいないようなので、絶対にそうとは言い切れません。
生徒 (ニオイのサンプルを手にしたときには死んでるって、学者なんか…)
先生 言葉や音といった手段でないことははっきりしていますので、ニオイというか、ある種の生化学物質が一役買っていると考えるのは当然の帰結ですね。
生徒 リーダーにはどうやってなるんですか? マザーが命令するんですか? それとも人気投票?
先生 ブルードマザーはひどいニオイのゼリーを作り、それを時たま宿主に寄生する前の、ブルードリングの新生児に食べさせます。このゼリーを食べたブルードリングが、寄生後ハイブブルードに成長すると---成長というより変態でしょうか---、これが必ずハイブリーダーになります。
生徒 ハイブリーダーは一匹だけですか?
先生 いいえ、リーダーは一匹とは限りません。マザーは巣一つに対して必ず一体しかいませんが、リーダーは巣が大きくなればなるほど数が増えます。
生徒 そんな…船頭多くして山に登らないのかな。
先生 実はリーダーは中間管理職で、船頭は別にいます。それがハイブマインドです。

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 ハイブマインド
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先生 ハイブマインドはマザーと同様、ほとんど動くことができないタイプの構成員です。
生徒 なんだ、じゃあ怖くないんだ。
先生 とんでもない。ハイブマインドがいるからこそ、ハイブは真に恐るべきモンスターなのです。
生徒 何故ですか?
先生 ハイブマインドには特殊能力があります。あとで詳しく述べますが、ハイブマインドは餌にしたモンスターの能力をすべて自分のものにすることができるのです。
生徒 は?
先生 たとえば、ファイアーボールの呪文を記憶していた魔術師が殺されて、ハイブマインドの餌になると、そのハイブマインドはファイアーボールが使えるようになります。
生徒 げー……
先生 さらに厄介なことに、ハイブマインドはそうした能力…他の一般的能力と区別するためにここでは「技能」と呼んでおきましょうか、ハイブマインドは自分が得た技能を、巣のすべての構成員に与えることができます。
生徒 はああ!?
先生 まぁ、この件はあとで詳しく話しましょう。
生徒 あとでって…(汗)
先生 特殊能力はおくとして、ハイブマインドはその名の通り、巣の司令塔です。彼は巣の活動を制御することに完全に専念します。
生徒 じゃあ、戦ったりはしない、と…
先生 戦うのは働きバチの仕事ですからね。
生徒 はぁ…。
先生 ハイブマインドも巣一つに対して一匹では必ずしもありません。ただ、リーダーよりは圧倒的に数が少ないでしょう。というのは、ハイブマインドはハイブリーダーが変態して生まれるものだからです。
生徒 はぁ?
先生 はっきりとはわかりませんが、おそらくリーダーとなるべきブルードリングが与えられたゼリーをですね、その同一のブルードリングか、変態後のハイブリーダーがさらに続けて食べると、ハイブリーダーは2番目の休眠期を経てハイブマインドになる、という説が有力です。
生徒 2番目?
先生 1番目の休眠期は、最初にハイブブルードに変態する前のやつですね。
生徒 ああ、なるほど。そういえばさっきから話に出てくる「ゼリー」って、なんか「ローヤルゼリー」みたいですね。
先生 そうですね。蜂の「ローヤルゼリー」は、食べた働きバチが女王バチになっちゃうので、ちょっと違いますけどね。
生徒 あれ? そうするとブルードマザーはどうやって増えるんですか? それとも増えないんですか?
先生 ブルードマザーは、ブルードマザーの卵をブルードマザーが産むことによって増えます。
生徒 舌、噛みませんでした?
先生 この次世代ブルードマザーの「卵」をいつ産ませるかを決定したり、別の新しい巣を作るためにその卵とお守りのハイブブルードたちをいつ・どこへ送り出すかを決定するのもハイブマインドの仕事です。
生徒 別の新しい巣ぅ〜!?
先生 一つの巣の構成員が100体を超えると、ハイブマインドは今言った「巣別れ」を計画し実行します。
生徒 あの〜、巣別れって、どのくらいの規模なんですか。
先生 ブルードマザー1体に、ハイブリーダー1〜2体、ハイブブルード10〜20体くらいが基本ではないかと言われています。規模の大きい巣別れになると、ハイブマインドもキャラバンに加わります。が、これは元の巣によほど余裕のあるときでしょうね。
生徒 新しいブルードマザーって、そのときは卵なんですか? それとも……?
先生 卵からは出てきているでしょうね。少なくとも、新しい巣に棲みついた時点では、完全に成体のブルードマザーとして振る舞えるようになっているはずです。かくてハイブはどんどん増えていくのです。

ハイブくん

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ハイブはどう振る舞うか
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ハイブくん

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 ハイブは何で獲物を見るか
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生徒 ああ、嫌な話を聞いちゃったなぁ。とりあえず、ハイブと会ったらすぐ逃げようっと。
先生 それがですね…
生徒 何か問題があるんですか?(汗)
先生 ハイブたちは疲れ知らずなんですねぇ。彼らは接近戦で鎧無しの状態だと1ラウンド(10秒)に40フィート(4.4km/h)、鎧を着ている場合は1ラウンドに30フィート(3.3km/h)から20フィート(2.2km/h)くらいで動きます。つまり人間と同じ移動速度だということです。タフさでいえば十中八九、彼らの方がタフですから、全力でよほど運良く逃げきらない限りは、追いつかれちゃうと思いますよ。
生徒 ひええええ。じゃ、じゃあ、物陰に隠れてやり過ごすっていうのは?
先生 う〜ん……実は彼らは通常の視覚だけで空間を把握しているわけじゃないらしいんですね。全員が「インフラヴィジョン」の能力を持つとされており、しかもニオイや触覚による感知で、暗闇においても獲物の居場所がわかっちゃう。
生徒 八方ふさがり…
先生 彼らを『盲目』の状態にするには、暗闇だけでは力不足なのです。
生徒 何が必要なんですか? そもそも『盲目』になることはあるんですか?
先生 『盲目』になることはありますよ。必要なのは、完全な暗闇でありかつ音がしない環境のようです。
生徒 完全な暗闇?
先生 まぁ、要はダークネスの呪文だとインフラヴィジョンが通ってしまうので、コンティニュアルダークネスの呪文でインフラヴィジョンを封じる必要があるということです。でもコンティニュアルダークネスの呪文だけでは、ハイブは『盲目』になりません。
生徒 もうひとつの条件が「音がしない」こと、か。音がするしないっていうのも、インフラヴィジョンと関係があるんですか?
先生 関係ありませんね。
生徒 ニオイとは?
先生 耳が聞こえない人だって、香りは味わいますよ。それにニオイによる空間認識というのは、非常に精度が落ちるものです。方向もわかるし、自分が動けば遠近もわかるけれど、相手の位置を厳密に把握するにはやや力不足です。気配の察知だとか時間をかけての追跡には有用ですが、瞬間瞬間の空間認識の決め手とはなりません。そんなんで相手の位置がわかるのは「ラプラスの悪魔」くらいのものです。
生徒 じゃあなんでサイレンスが必要なんですか?
先生 わかりません。
生徒 先生〜。
先生 これは私見ですが、ハイブの触覚には音波をキャッチする能力があるんじゃないかと私は考えています。すなわち、そこら中の音波をキャッチして場所をつかむ、あるいは自分から音波を発して、その反射具合で世の中を見てるんじゃないかとね。触覚が潜水艦のソナーみたいな役割をすると思えばちょうどいいでしょう。
生徒 音で「世の中を見る」…?
先生 人間だってやってますよ、精度が低いだけで。私たちは「音、音」と言いますが、本来、「音」と考えられているものは実際の「音」とその「響き」とから成ります。ハイヒールで硬い床の上を歩くと、カツーンカツーンと音が響くでしょう? 床を踵で打つ音、そしてその音が床や周りの壁に反響する「響き」を聞いて、私たちは空間を認識しています。周囲の「ひろがり」やその中での自分の「位置」を音響によってとらえるわけです。あまりに自然な動作のため、日頃は意識されていないだけです。
生徒 はぁ…そういうもんですか。
先生 これがハイヒールを履いて硬い床材の上を歩いているのに、音が全くしなかったらどうなるか? 非常に気持ち悪いと思いますね。どこにいるかが今ひとつわからず、自分が歩いていることが信じられない。真っ暗な中で歩いても歩いてもするべき音がしなかったら怖いでしょうねぇ。
生徒 先生、ハイブの話はどこへ行ったんですか?(汗)
先生 ああ、そうでした。とにかく、聴覚を持つモンスターは、多かれ少なかれ音響による空間認識を行っているものです。
生徒 あ、そうか。コウモリなんかは音だけで位置を知るんでしたっけ。
先生 そうですね。ハイブも、コウモリ並みの聴覚と、音響による空間認識能力とを持っているのかもしれません。確証はありませんが。
生徒 はぁ…。
先生 まぁ、音波うんぬんは私の勝手な推論ですからおいておいて、大ざっぱにまとめると、ハイブたちは非常に感知能力に優れているため、単純に暗闇にしたぐらいでは誤魔化せない、ということなんでしょう。
生徒 それで、サイレンスも必要、と?
先生 はい。とにかく、ハイブに自分たちの位置を悟られないようにするには、「コンティニュアルダークネス+サイレンス」の呪文の同時使用が必要だということは覚えておいてください。
生徒 …ひとりで一度に二つもかけられませんよ。
先生 ひとりで歩いてたら、そりゃあ助かりませんね。
生徒 (こ、こいつは……)

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 ハイブは何で獲物を狩るか
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生徒 そういえばさっき、「技能」がどーたら恐ろしげなことを言ってましたけど…
先生 ああ、その話ね。その話を先にすると気が滅入るでしょうから、その前に彼らの通常攻撃について説明しておきましょう。
生徒 「気が滅入る」って……(汗)
先生 ブルードリング、ハイブブルード、そしてハイブリーダーの攻撃の仕方は、若干の違いはあるものの、だいたい共通しています。「歯で噛む」「爪で引っ掻く」そして「武器を使う」、この3種類の組み合わせです。それぞれダメージの大きさは違いますが、ブルードリングの状態からすでに強靱な歯と爪とを持っていて、攻撃に使ってきます。ダメージなど、詳しくは後出の一覧表を見てください。
生徒 昆虫のくせに爪があるんですか!?
先生 あなた、カマキリを見たことないんですか。それに宿主がもともとヒューマノイドモンスターなんですから、爪ぐらいありますよ。ハイブの爪はすご〜く硬くて鋭利です。柔らかい人肉なんかザクザク斬れちゃいます。でも爪攻撃よりも「噛み付き」の方がずっと厄介なんです。
生徒 なんでですか? ばい菌が入るとか?
先生 ばい菌……ばい菌よりも強力な、もう「毒」と言っていいでしょう。彼らは噛み付くとき、そこからねばねばした唾液を注入します。この唾液の毒性に対する抵抗に失敗すると、そのひとは「麻痺」してしまいます。
生徒 ブルードリングのうちからそんな芸当がぁ〜(泣)。
先生 さすがにブルードリングにはこの能力はありません。
生徒 ああ、よかった。
先生 なお、屍鬼なんかと違ってこれは「毒」による麻痺なので、抵抗を判定するには「対麻痺」ではなく「対毒」セーヴィングスローを使います。
生徒 抵抗に失敗すると?
先生 そのひとは麻痺して何も行動できなくなります。お喋りもできない。できるのは、呼吸と周りを見ることぐらい。
生徒 二度と治らないんですか?
先生 ハイブの唾液による麻痺効果は、ニュートラライズポイズン、キュアシリアスウーンズ、ヘイストなどの、身体の状態を回復ないし優良化する呪文によってうち消されます。さもなければ2〜16ターンの間(20〜160分間)、麻痺状態が持続すると言われています。
生徒 唾液っていうのがまたなんともイヤですね…ばばっちぃ〜。
先生 でもこの唾液は、魔法のポーションを調合するのに使われるんです。採取して売ると錬金術師に喜ばれますよ。お金になります。
生徒 「命あっての物種」じゃないですか…。そうだ、ハイブマインドとかブルードマザーとかはやっぱり戦わないんですか?
先生 基本的にはそうですね。彼らの役目は別のことで、戦闘は他の構成員にお任せです。ですが、身を守るくらいはします。
生徒 どうやってですか?
先生 まずブルードマザーですが、毒性のあるニオイの雲を、自分を中心に半径30フィート(約9メートル)に発散させることができます。
生徒 また毒ですかぁ〜。
先生 そうです。この雲---雲というか、ガスですね、これに巻かれてしまった者は、マイナス1のペナルティー修正をつけて対毒セーヴィングスローを判定します。抵抗に失敗した者は、毎ラウンド3〜18ポイントのダメージを受け続けます。
生徒 死ぬまでずっとですか!?
先生 いえ、毎ラウンド、対毒セーヴィングスローの判定をおこなって、その判定に成功するまでです。
生徒 麻痺はしないんですか?
先生 麻痺はしません。毒によるダメージを被るだけですね。ただ、悪くすれば死にますが。
生徒 そりゃそうだ。
先生 ブルードマザーは、この能力を1日に3回まで使うことができます。
生徒 ひええええ。
先生 でも他には何もできませんよ。
生徒 そんなえげつない攻撃ができりゃ、それで十分だと思いますが…。
先生 そうかもしれません。一方のハイブマインドですが、こちらは接触した敵に対して「爪で掻く」「噛み付く」の2種類の攻撃をすることが可能です。
生徒 その「噛み付く」攻撃って…
先生 もちろん、もれなく「麻痺」付きです。
生徒 キタナイよー!!(涙)
先生 ただし、前の説明で触れたとおり、マザーもマインドもほとんど移動ができません。マザーは全速でも1ラウンドに3フィート(0.3km/h)、マインドは10フィート(1.1km/h)しか動けないのです。相手がマインドだったら、接敵されないよう遠くから攻撃すれば、こちらは引っ掻かれたり噛まれたりしないで済みますよ。
生徒 でもハイブマインドって、何やら怪しい電波を飛ばせるんでしょ?
先生 いよいよその話に行きますか。
生徒 聞きたいような、これ以上聞きたくないような…

ハイブくん

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技能の摂取と伝達
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ハイブくん

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 技能の摂取
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先生 では技能を「摂取」する話からしましょうか。
生徒 技能を摂取できるのはハイブマインドだけですか?
先生 ハイブマインドだけです。
生徒 どうやって摂取するんですか?
先生 餌として食べるだけ。
生徒 うええええん(泣)。
先生 泣くことないでしょう。私たちだって鶏やら魚やら食べて、そこに含まれる栄養素を取り込んでるじゃないですか。ただ、鶏の記憶やら魚の記憶やらまで取り込めないだけで。
生徒 「記憶」、なんですか?
先生 う〜ん、ハイブになったことがないのでわかりませんが、誤解を恐れずに言えば「脳に蓄積された情報」でしょう。
生徒 やだなぁ、そんなプライバシーもないような仕打ちは。
先生 大丈夫です。ハイブには「個人」という概念がないので、他人のプライバシーを知ったところで何の感慨も持ちません。
生徒 そんなことじゃなくて……ま、いいや。ってことは、「脳」を食べると技能を摂取できる?
先生 おそらくそうでしょう。指先をかじっただけで摂取されてはたまりません。1人分の脳を食べるごとに1人分の技能を摂取すると考えるのが妥当でしょうね。
生徒 「技能」には何が含まれるんですか?
先生 摂取される技能には、次のようなものがあります。まず呪文の類。それからウェポンマスタリー。読み書きや交渉、占星術といった一般技能。シーフが持つ鍵開けや忍び足、戦士が持つコンバットオプションなどの専門職技能。あと、自分より良いセーヴィングスロー値を持つモンスターを食べると、その値も技能として摂取すると言われています。セーヴィングスロー値と言うとわかりにくいですが、要は他人の抵抗力が自分より良い場合、それを食べて取り込めるということですね。
生徒 つまり「何でもアリ」なんですね!?
先生 ほぼそれに近いですね。
生徒 じゃ、じゃあ、8レベル魔術師なんかが食べられると、その人の持っていた呪文が全部ハイブマインドのものに…!?
先生 今言った「持っていた」というのはどういう意味ですか? 呪文については、餌となる魔術師なり僧侶なりが死亡した時点で記憶していた呪文だけが、摂取されます。
生徒 …ええと?
先生 未使用の呪文だけが摂取の対象になるということです。たとえば、8レベルの魔術師が死亡してマインドに食べられたとします。でもこの魔術師がもしも今日「記憶」した呪文をすべて使ったあとだったら、あるいはまた、たまたま彼が呪文を前日に使い切っていて今日はまだひとつも覚えていないようなときに死亡したのだったら、呪文の「記憶」はゼロなのですから、マインドは何も摂取することができません。まぁ、実際にはそんなウマい話はないでしょうが。
生徒 えっ……でも、一度覚えたことがあるんだから、脳を食べたらわかりそうだけど…。
先生 そこまで敵に塩を送ることもないでしょう。
生徒 いや、そう言われても…
先生 あなた、国語か社会の授業で、何かを暗記させられたことはありますか?
生徒 ええっと…社会科で憲法の前文を暗記させられました。
先生 そのとき、全部暗記できましたか?
生徒 暗記してちゃんと暗誦しましたよ。成績がかかってましたもん。
先生 今、その前文を全部言えますか?
生徒 言えません(きっぱり)。
先生 魔術師や僧侶の呪文もそれと似たようなものです。一度暗記したことはあるし、どんな呪文であるかといった知識は持っているけれど、毎回「記憶」し直さなければ全体を覚えられないし、それを一旦放出してしまえば忘れてしまいます。ところどころ覚えていたとしても完璧な詠唱にはなりません。だから、完全に「記憶」されている状態の、未使用の呪文だけをハイブマインドは摂取できるんでしょう。どっちにしろこれは脅威ですよ。
生徒 それはそうですよね。マインド1体につき、いくつぐらい摂取できるんですか?
先生 いくつでも。
生徒 数の制限はないんですか!?
先生 制限はありません。どんな能力でも際限なく摂取して貯め込んでおくことが可能です。覚えたい放題。
生徒 そんなのズルイよー!!
先生 有能なモンスターを食べれば食べるほど技能が蓄積されていくわけです。勉強や訓練を全然しなくていいのはうらやましいですね。
生徒 そういう問題ですか?(汗)

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 技能の伝播
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生徒 ハイブマインドが技能を伝えるのは、どの種に対してですか?
先生 全部の種です。ブルードリング、ハイブブルード、ハイブリーダー。類例の報告がないのでわかりませんが、おそらくハイブマインド同士でも、ブルードマザー相手でも伝播は可能でしょう。ただ、ブルードマザーはインテリジェンスがゼロなので、もしかしたら伝えられた技能を行使することはできないかもしれません。
生徒 インテリジェンスがゼロ!! マザーって本当に出産しかしないんだ。それにしても一番格下のブルードリングにまで伝わるなんて〜。
先生 巣の構成員全員ですから、すごい数になりますね。ファイアーボールを伝達すると、全員ファイアーボールを打ってくる。
生徒 ぎゃー!
先生 ハイブの巣に近寄らなきゃいいんです。
生徒 それができりゃ苦労はしませんよ! 看板立ってるわけじゃないんだから(ブツブツ)。ちなみにどうやって伝えてるんですか?
先生 ハイブリーダーの話をしたときに、ニオイというか生化学物質を使って命令を出していると言いましたよね? この「技能の伝播」も同じように生化学物質によるものと考えられています。物質の伝播ですから、範囲には限界があります。
生徒 何フィート先までしか届かない、とか、そういうことですか?
先生 はい。ハイブマインドが技能の伝播のために発する生化学物質は、1ラウンド(10秒)に60フィート(18メートル)の割合で拡がります。が、この物質の滞空時間は3ラウンドと限られているので、3ラウンド後には完全に消散してしまいます。
生徒 60フィート×3ラウンドで、180フィート(55メートル)までは拡がるってことですね。間に壁があったりしたらどうなるんですか?
先生 届かないと思います。波じゃなくて粒子なら。
生徒 そ、そーゆーびみょーな言い回しはやめてもらえます?(汗)
先生 放射線や超音波のように透過してしまうものだとは聞いていませんから、壁で囲まれていれば届かないんじゃないですか。どこか隙間が空いてたら忍び込んでくるかもしれませんが。まぁ、細かい部分を知りたくば実地体験してください。
生徒 それは勘弁してください(汗)。
先生 ハイブマインドが、獲得している技能を生化学物質に変換して発散してしまうと、その技能は『忘却』したことになります。ちょうど僧侶や魔術師の呪文と同じような扱いです。
生徒 何度も繰り返し使えないってことですか。
先生 カンペキに「使い捨て」ですね。ただし、ファイアーボール1発未使用の魔術師が2人食べられていたとしましょう。そうするとハイブマインドの中には2発のファイアーボールが貯まっているわけですから、1発を使ってしまってももう1発残っています。ファイアーボールを使うとファイアーボールの技能すべてが失われるわけではありません。また、一方の魔術師が5レベルで、もう一方が8レベルだったとしましょう。そうするとそれぞれのファイアーボール技能によるダメージは、5D6と8D6というように異なります。
生徒 じゃあ、最初に使ったファイアーボールがたとえば5D6だったからといって、二発目のダメージもそうとは限らない…?
先生 そうですね。他に、シーフの専門技能などもそうです。1レベルのシーフから摂取したシーフ技能なら、影潜みで成功する確率は10%しかありませんが、4レベルのシーフから摂取した技能を伝播した際には成功する確率は24%に上がります。
生徒 技能は一度にいくつ伝えられるんですか?
先生 ハイブマインド1体につき、1ラウンドごとに一つの技能を伝播できます。

━・━・━・━
 技能の受容
━・━・━・━

先生 さて、今度は受け取る側ですね。
生徒 受け取ったらひたすら全員でそれ使っておしまい、じゃないんですか?
先生 ハイブブルードやブルードリングは、これらの技能を受け取ってから3ラウンドの間、その信号を体内に留めておくことができます。3ラウンド以内に行使しないと、信号は消滅し、彼らはその技能を『忘却』してしまいます。
生徒 つまり…?
先生 使わないまま3ラウンド経過してしまうと、その技能は使えなくなります。
生徒 宝の持ち腐れになっちゃうんですね。
先生 そうです。でもハイブリーダーはちょっと違います。彼らは受け取った技能を5つまで『格納』しておくことができます。
生徒 『格納』? ということは……?
先生 ハイブマインドはほとんど動けないので、巣から半径180フィート(55メートル)の範囲までしか技能を伝播させることができませんし、ハイブブルードたちは3ラウンド経つと忘れちゃうんですから、全速力で移動してもそこからプラス120フィート(37メートル)の範囲でしか技能を行使できません。ハイブマインド直々の命令で呪文を繰り出してくるようなことは、巣の近辺にいなければ不可能なわけです。ですが、リーダーが『格納』できることで、マインドは彼に5つの技能を与えて兵隊とともに送り出し、巣から遙か離れた地点でそれらの技能を全員に使わせることが可能になります。
生徒 うええええ。技能の伝播ってハイブマインド・オンリーの能力じゃなかったんですか?
先生 技能の「摂取」がハイブマインド・オンリーの能力ですね。もともとリーダーは、半径30フィート(9メートル)以内にいる働きバチたちに対して命令を与える能力を持っていますから、ハイブマインドからもらった情報をそのまま「命令」として放出すればいいんです。ただし、この場合はマインドが伝播する場合と違って、30フィートまでしか届きません。生化学物質の滞空時間が3ラウンドというのは同じですが。
生徒 じゃあリーダーが5体いたら、25の技能が使える?
先生 単純に考えるとそうなりますが、一度に、というわけにはいきませんから、5体いることが即メリットになるわけでもないでしょうね。
生徒 ?????
先生 ハイブブルードたちは、一体のマインドから一度に一つの指令しか受けられません。こういうと誤解されるかな……例を挙げて説明しましょうか。あるハイブの巣に、ミカエルとガブリエルという2体のハイブマインドがいたとしましょう。
生徒 先生、ハイブに大天使の名前をつけるのはやめてください(汗)。
先生 そうですか? じゃあ、アシュタロトとベールゼブブで。
生徒 (ヤな奴……)
先生 ああ、ちょうどいいじゃないですか、アシュタロトをマインドA、ベールゼブブをマインドBとしましょう。第1ラウンドでマインドAがファイアーボールの技能を伝播しました。続く第2ラウンドでマインドAはキュアライトウーンズの技能を伝播しました。しかし、ハイブブルードたちが2つめの信号を受け取ったときに、まだファイアーボール技能を行使していなければ、彼らの体内にはファイアーボールを指示する生化学物質が残っています。受け取ってから3ラウンドの間は消滅しないですからね。このように1つの信号が消える前に、同一のハイブマインドによって2つめの信号が伝播されると、受け取ったハイブブルードは混乱してしまいます。
生徒 へえ〜。混乱って、具体的にはどうなるんですか?
先生 敵を攻撃することができなくなります。ですが本能は残っていますから、自分自身を守ることはできますし、防御に併発されて反撃するくらいはするかもしれません。
生徒 でもそれって、信号を受け取らないでおけばいいだけの話じゃないですか。
先生 「受け取らない」という選択肢は、ハイブにはありません。
生徒 へ?
先生 マインドからだろうとリーダーからだろうと、何らかの信号が発散された場合、彼ら兵隊アリたちはそれを受信せざるを得ないのです。「命令拒否」は絶対にできません。
生徒 じゃあ、マインドBが別の信号を同時に発散させたら、それも混乱するんですか?
先生 しません。
生徒 どうして?
先生 極端な例でいうと、同一人物が「寝ろ」と「寝るな」という命令を同時に出したら、言われた方は混乱するでしょう。でもある人が「寝ろ」と言って別な人が「寝るな」と言った場合には、どちらを選ぶか悩むかもしれませんが、混乱はしません。
生徒 ふぅん。じゃあマインドAとマインドBが同時に別な命令を出したら、ハイブたちはどっちか選ぶんだ?
先生 そうです。技能は一度に一つずつしか受けられませんから。
生徒 でも今のはハイブマインドから直接命令を受けた場合でしょ? ハイブリーダーが『格納』している技能についてはどうなるんですか?
先生 これもはっきりとわかっているわけではないのですが、受容した技能がマインドAからのものだ、あるいはマインドBからのものではないとわかるということは、発散される生化学物質に署名があるなど、発行者の情報も含まれているのではないでしょうか。そうするとハイブリーダーが『格納』している技能にも当然「発行者情報」は含まれているわけで、連発された技能が2つともマインドAによるものであればハイブブルードたちは混乱するし、それぞれマインドAとマインドBによるものであれば彼らは混乱せずに一方を選択するのではないか、と。
生徒 発行者情報かぁ。本の奥付みたいですね。
先生 それよりもホームページのメタタグと思えばいいかもしれません。情報として含まれてはいますが、表出はされませんから。
生徒 またわかりにくい解説を……(汗)。とにかくハイブたちが技能を受け取るには、そういった限界が一応あるわけですね。
先生 一応、ですがね。

━・━・━・━
 技能の行使
━・━・━・━

生徒 で、あとはドババーッと使っておしまい、ですね。
先生 まぁ、そうです。
生徒 技能の伝播は、マインド1体につき1ラウンドに一つずつでしたけど、使う方も1ラウンドに一つなんですか?
先生 はい。ラウンドというのは戦闘時ですね。基本的には「一回に1技能」と考えてください。
生徒 技能一つって、どういう風に分けて数えればいいんですか?
先生 技能一つとは、呪文だったら一種一回分が一つずつにあたります。たとえばライトの呪文一回分で一つ。あるいは先ほど説明したように、レベルごとに効果の変わるものもそれごとに一つ。1レベルのマジックミサイル一回分が1技能、6レベルのマジックミサイル一回分も1技能。同じ1レベルのマジックミサイルがマインドAとマインドBから同時に伝達されても、それぞれは別の技能ですから、二発一緒に行使することはできません。
生徒 呪文はわかりやすいですね。問題は特殊技能なんかの方ですね。
先生 シーフの専門職技能は、鍵開け・聞き耳などをひとまとめにして1技能と数えます。こう言った方がわかりやすいかな。ハイブマインドは、シーフ1人を食べることによって、シーフ技能を一つ手に入れます。これが1技能として伝播され行使される単位です。
生徒 それじゃあ、技能をもらったハイブは鍵開けも罠発見も忍び足も影潜みもなんでもできるんですか!?
先生 そういうことです。この技能を行使したハイブは、次に新しい信号(技能)を受け取るまでは、該当するレベルのシーフと同じように振る舞えるようになります。
生徒 もーやだー。
先生 レベルが違うシーフを食べていれば、マインドはそれぞれのレベルにおけるシーフ技能を一つずつ貯め、伝播するときはどれか一つを選びます。同じレベルのシーフを3体食べた場合は、同レベルのシーフ技能を3つ持っており、3回の使用が可能になります。
生徒 一旦、シーフ技能を身につけると、ずーっと使えるんですか?
先生 いいえ。新しい信号がマインドあるいはリーダーから伝播されると、自動的に効果消滅します。これは継続性のある技能について共通です。たとえば水泳の技能が伝播され、ハイブCがそれを行使したとしましょう。これは継続性のある技能ですので、Cくんはずっと水泳ができる状態のままでいます。遠泳もへっちゃらです。でもあるときマインドAから3レベルシーフ技能の信号が発せられました。その信号をキャッチした瞬間に、Cくんの水泳技能は失われます。
生徒 「混乱」はしないんですか?
先生 混乱はしません。なぜならすでに受け取った技能は「行使」されているからです。この例で言えば、「水泳技能」の信号、言い換えるとそれを指示する生化学物質は、「行使」されたあとですからもはや体内には残留していません。だから同一マインドから新たな信号を受け取っても混乱することはないのです。
生徒 ははぁ。じゃあ戦士のコンバットオプションは?
先生 コンバットオプションの類は一つにつき1技能。なお、シーフ技能と違って、ハイブブルードたちは「どのオプションを使うか」を選択できません。スマッシュにするかパリィにするかといった選択は、マインドから伝播される時点ですでに決定されているからです。
生徒 マインドは選択できるんですか?
先生 マインドは、コンバットオプションの所有者を摂取する段階で、どのオプションの技能にするかを選択しています。だから自分自身で行使するときも「どのオプションを使うか」は決まってしまっています。おっと失礼、それ以前にマインドは武器攻撃ができないんでした。ですからコンバットオプションやウェポンマスタリーを自分で行使することはありませんね。
生徒 そっか、ウェポンマスタリーもあるんだ…
先生 ウェポンマスタリーについては、各武器に対するウェポンマスタリーのランク一つを、1技能と数えます。スリングのスキルドランクを持っている魔術師を食べたら、スリング・スキルドの技能を一回使えますし、ショートソードのエキスパートを取り込んだらそれも一回行使できます。
生徒 たとえばノーマルソードのグランドマスターの戦士を食べたとしますよね。その戦士はノーマルソードのスキルドもエキスパートも持ってるってことですけど、それらも技能として取り込めるんですか?
先生 グランドマスターの戦士を食べたら、グランドマスターランクのマスタリーしか手に入りません。ボーラのスキルドとショートソードのエキスパートとを持つ盗賊を食べた場合には、その2つを技能として手に入れることができます。ただし、実際にこれらの技能を「行使」するハイブが、マスタリーに対応する武器を使っていなければ無意味です。
生徒 よかった〜。だって呪文を使う能力がないのに呪文を使っちゃうんだから、「武器なんかなくてもマスタリーは使えるんだああっ」ってなってたらどうしようかと思いましたよ(笑)。
先生 なお、ウェポンマスタリーやコンバットオプションは必ず「戦闘中」に発揮されますから、「一回の使用=1戦闘中継続」になります。もちろん、新しい信号が伝達されれば効果消滅しますが。
生徒 そういえば一般技能の、読み書きはどうなんですか?
先生 謎です。特にハイブブルードあたりに伝播された場合が。
生徒 他は謎じゃないんですか?
先生 そもそも技能を摂取するハイブマインドという種は、非常に知性が高く、インテリジェンスが16もあります。たぶん、あなたより頭がいい。
生徒 ほっといてください(怒)。
先生 ですから、ハイブマインドに関して言えば、だれか魔術師を食べて、その読み書き能力を行使してスクロールを読んだりするようなことは可能でしょう。しかし、ブルードリングの教養は4だから無理としても、ハイブブルードの7、ハイブリーダーの10という能力値は微妙なラインです。それこそさっきあなたが言ったように、教養もないのに呪文を使えるのですから、能力値に拘わらず読み書きもできるのかもしれない…。
生徒 ………。
先生 しかし、ブルードたちの役割は肉体労働ですから、それを考えるとハイブマインドが彼らに読み書き技能を伝播することがそもそもあり得ないのかもしれませんね。知的な活動はハイブマインドが自分で行うでしょう。そしてマインドだったら、読み書き技能を利用して、書かれている内容を正確に把握したり、それをもとに書簡を捏造したりすることが可能でしょう。言葉を読む能力とは、分節化の能力です。内容把握にはどうしてもそれ以外の知性が必要なのです。
生徒 あんまりむじゅかちぃこと言わないでください、こちとらハイブマインドより頭悪いんですから。
先生 言語を分析する能力だけでは、意味内容を包括的に把握するに不十分だということです。人間でも、できの悪い生徒が「行間を読む」ことに不得手だったり、抽象的思考の苦手な学生が形而上学の書を読んでも「言葉はわかるが内容は理解できな」かったりするのと一緒です。
生徒 がーん…。
先生 なお、今、話したことは一般的な読み書き技能に関してです。そうではなくてリードマジック、リードランゲージの類の呪文や、9レベルシーフ技能を技能として使った場合は、ハイブブルードだろうがブルードリングだろうがだれでもスクロールを読むことが可能です。
生徒 …やっぱりどう考えてもズルイよな〜。使いたい放題じゃないですか。しかも全部他人の能力。
先生 あっ。大事なことを忘れてました。どの種のハイブたちでも、こうした技能を一回使うごとに1ヒットポイントを失います。
生徒 つまり、「身を削って」使っている、と?
先生 そう言っていいかもしれません。
生徒 ハイブマインドもヒットポイントを失うんですか?
先生 伝播するだけでは失いませんが、貯えてあった技能を自分で使えば、1ヒットポイント失いますね。これはリーダーも同じです。『格納』してあった技能を命令しても失いませんが、自分で行使すれば1ヒットポイントを失います。
生徒 でも回復は可能なんですよね? 最大30だったハイブブルードのHPが上限29になるわけじゃないですよね?
先生 それはないですね。使うたびにダメージを受ける、ということです。

ハイブくん

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続・ハイブとは何か 〜分析編〜
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ハイブくん

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 要注意事項
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生徒 あ〜あ、面倒なモンスターだなぁ〜。何から何まで寄生するわけじゃないですか。
先生 実はですね…
生徒 まだ何かあるんですか!!(汗)
先生 先ほど話したような「技能」として使われるわけではないのですが、ハイブたちは、食べた餌の記憶を引き継ぐと言われています。
生徒 はぁ!?
先生 そうやって知識を貯め込むことができるようです。もっとも知力が増加するわけではありません。飽くまでも「記憶」、つまり質的ではなく量的な増加です。
生徒 具体的に言うとどういうことですか?
先生 そうですね…ハイブCがある商人の脳を食べたとします。この商人の記憶中に、隊商のスケジュールがあれば、それを利用して待ち伏せすることが可能になります。
生徒 ひえええええ!
先生 また、この商人がたまたま食料品の業者だったとしましょう。ハイブたちはお宝には興味がありませんが、食糧には手を出すはずです。食べた商人がどこそこの街にお蔵をいくつ持っているであるとか、その蔵の周りの警備がどうなっているだとか、どこにトラップがあるか、警護用のガーゴイルの攻撃を解除するパスワードはなんであるか、鍵をどうやって開ければいいか、などがぜ〜〜〜〜〜んぶわかります。
生徒 サイテー……
先生 もっとも、食べたハイブの知性に応じて理解度も左右されますし、どこからどこまでリーダーやマインドに伝達できるかも左右されることでしょう。これがマインドが食べたのだったら、何から何まで受け取られますね。彼がアメリカの国務長官を食べると、ペンタゴンのパスワードから核兵器の個数や格納場所、開発中の新兵器など、軍情報が丸裸になるわけです。
生徒 いや、あの、別に国務長官でなくても……。ハイブブルードたちが食べたんだったらそれほど心配がないってことですか?
先生 それはどうでしょうか。知性を駆使しなければいけない情報は利用できませんが、もっと単純な情報の方が多いでしょうから。たとえば、宝物の在処であるとか金庫のパスワードであるとか、隠し部屋へのルート、ゴーレムの動かし方なんかは、別に知性が高くなくたって「聞けばわかる」でしょう? それに対して、ポーションの調合や数式の解読などは、ハイブマインドが専門家を摂取して「技能の行使」までしなければ無理ですが、さしあたりは無用なことです。
生徒 うう……いっそのこと、チャームパーソンをかけて、おトモダチになってしまったほうがいいのかもしれない…(涙)。
先生 ああ、それは無理です。
生徒 何でですか!?
先生 パーソン系の呪文は彼らには効かないのです。チャームパーソンもホールドパーソンも無効です。やるならチャームモンスターかホールドモンスターでないと……
生徒 ちょ、ちょっと待ってください! 彼らは必ずヒューマノイドに寄生するんでしょ? ってことは、人間と同じじゃないですか。どうしてそれでパーソン系呪文が効かないんですか!
先生 そんなことを言われても、効かないものは効かないのです。それに、外見だけで判断するなら、一部のアンデッドモンスターだって明らかにヒューマノイドですが、チャームパーソンが効かなかったりするでしょう?
生徒 そっ、それは彼らは人間の姿をしていても精神がないから…
先生 同じことです。ハイブたちも「人間の姿をしていても……」という条件がついているのです。まぁ、人間型の身体を動かしていますが、その本体は寄生虫ですしね。そうでなければ、逆にバグリペラントポーションの効き目もないはずです。

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 弱点はないか
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生徒 バグリペラントポーション? それは何ですか? もしかしてバルサンみたいな特効薬?(キラキラ)
先生 特効薬は特効薬ですが、ただの虫除けポーションです。ハイブを殺せるわけじゃありません。
生徒 なんだぁ。
先生 この虫除けポーションを飲むと、どんな形態の虫であれ、服用した者を「無視」するようになります。彼らがよほど注意を払って存在を確認しようとしないかぎり、服用者は彼らにとって透明な存在になるわけです。気づかれずに攻撃したり、逃げてしまったりすることができます。
生徒 でもそれでハイブがみんなホイホイと死んでくれるわけじゃないんでしょ?
先生 当たり前です。だいたいそんな有害な毒物があったら、吸飲した人間も一緒に倒れちゃいますよ。
生徒 いやんなっちゃうな〜。何か弱点とか、ないんですか?
先生 あります。彼らは火に弱いのです。火や熱による攻撃は、すべて2倍のダメージを与えることができます。
生徒 まるごと燃やしちゃえばいいんだ!
先生 周りが燃えなければ、ね。
生徒 うっ(汗)。
先生 熱湯なんか、安全で効果的かもしれませんね。
生徒 魔法瓶を持ち歩くわけにもいかないでしょう。他に何か弱点はないんですか?
先生 弱点……そうですね、まず、彼らは寄生生物です。寄生する先の宿主がいなければ、増えることができません。
生徒 え、そうなんですか?
先生 ブルードリングの幼虫は、そのままでは食料の捕獲はもちろん、栄養の補完もできません。食料を調達するには寄生した身体の手足が、栄養を摂るには寄生した身体の口や消化器官が必要なのです。そういった限定的な種族へと、進化の果てに行き着いてしまったのですね。
生徒 へー。じゃあ人間や動物みたいに、雄雌さえ揃ってればどんどん増えるってわけじゃないんですね。
先生 それから、彼らは完璧に全体主義的に行動します。そのへんが逆に弱点かもしれません。
生徒 全体主義って?
先生 個よりも全体に優越性を与える「ものの見方」です。個性、個人、個別的事物などは軽視され、自分が所属する組織(=全体)の利益が優先されます。
生徒 たとえば?
先生 たとえばヒットポイントが残り1しかないハイブブルードが、ファイアーボールの技能を受容します。この技能を使えば彼は死んでしまいます。しかし、ハイブたちはすべて全体主義ですから、そのハイブブルードは「巣(全体)」に貢献するために技能を行使するのです。彼らの社会においては、個人がどうなろうと知ったことではありません。
生徒 それ、弱点なんですかぁ〜!?
先生 弱点ですとも。こんなくだらない自爆的行為が、弱点でなくてなんですか。しかしまぁ、もう少しやさしく言いましょうか。これが弱点である根拠は2点あります。一点は、完璧に全体主義であるがゆえに、行動を先読みしやすいということ。2点目は、彼らが個体を大量消費しやすいということ。「生き延びて何かを為す」という考えは、彼らの間には絶対に生まれません。そうした意味で、「可能性」に乏しい種なのですよ。技能の模倣も同じ、他人の能力を掠め取って使いはしますが、それ以上に発展させることはありません。
生徒 「可能性」に乏しい……
先生 先ほど「技能」のところでも説明しましたが、彼らは「命令拒否」ができません。リーダーが、あるいはその上のマインドが信号を発したら、その下の構成員は必ずそれを受け取ります。仮令(たとえ)それが戦局にマイナスな命令であっても、です。本当に本当の意味で、個性のない「兵隊アリ」なんですよ。これも全体主義の弊害ですね。

━・━・━・━
 脅威の本質
━・━・━・━

生徒 でも脅威は脅威ですよ〜。
先生 それはそうです。可能性やら発展性やらに乏しいとはいっても、地道に、しかも下手すれば驚異的なスピードでコアの数を増やして行きますから---
生徒 先生、今言った「コア」って何ですか?
先生 おや? 私、今まで「コア」って言葉を使いませんでしたか?
生徒 今、初めて聞きました。
先生 「コア」というのは「核」です。ハイブたちの営みにおける、組織の最小単位のことです。
生徒 ???
先生 私たちも「核家族」などと言うでしょう。それと同じ「核」で、親元の巣から枝分かれして活動する小さな巣のことをコア、ないしハイブコアと呼びます。
生徒 親元の巣?
先生 ハイブは基本的にすべて同一家族です。大家族です。馬鹿でかい「本家」がどこかにあって、そこから「分家」が、さらにまたその「分家」が、というようにいくつも派生して勢力を拡大していきます。この「分家」が「コア」に当たります。
生徒 「本家」はなんて呼ぶんですか?
先生 さあ? 「マザーコア」と呼ぶ向きもありますが、私個人としてはやはり「ハイブ」と呼びたいところです。
生徒 どうしてですか? 「ハイブ」って、彼らの種族全体か、そうでなきゃハイブブルードを表す言葉なんでしょう?
先生 そもそも「ハイブ hive 」という言葉は「巣」を指します。個体を指す言葉ではないのです。しかしこのことは名付けたひとが彼らの本質をよく見抜いていたことの証左でしょう。ブルードたちもマザーもマインドも、皆「実体」ではありません。彼らは「ウーシア(本質)」から表出しているただの表れ、ただの影、言ってみれば「フェノメノン(現象)」に過ぎないのです。ハイブの実体はハイブ(巣)にあります。さらにその根元たる本家を表すのに適当な言葉と言えば、「コア」というより「ハイブ」ではないかと思うわけです。
生徒 (しまった、本質論に入っちゃった…! 止めねば!)
先生 彼らの繁殖と、それによる他の動物の被害をさし止めるためには、個々の構成員たちをその場その場において撃退するだけでは駄目です。実体、すなわち巣そのものをうち破らねば…! そしてそのためには、実体そのものの枠組みや内部構造を知ることから始めなければなりません…
生徒 全くその通りですねっ。本日はどうも貴重なお時間をありがとうございました!
先生 …もう時間ですか?
生徒 2時間オーバーです。
〜 暗 転 〜

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

ハイブくん

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■ 資  料 ■
━━━━━━━━━━

ハイブくん
orangedice Data of Hive-Family orangedice 能力一覧表 orangedice

略語:AC...アーマークラス(装甲値)◆HD...ヒットダイス(生命力)◆ST...セーヴィングスロー(抵抗力)◆INT...インテリジェンス(知力)◆EXP...経験値/1体◆長さの単位はフィートを基本とする

ブルードリング
ハイブブルード
ハイブリーダー
ブルードマザー
ハイブマインド
AC
6
3
2
8
6
HD
宿主+1〜4hp
or 2+1以上
3+1
5+1
12+2
6+6
移動
120(40)
10(3)
30(10)
攻撃
噛む1/爪2 or 噛む1/武器1
ガス1×半径30ft
爪2/噛む1
ダメージ
噛む:1〜6
爪:1〜4
武器:武器による
噛む:1〜8+麻痺
爪:1〜4
武器:武器による
噛む:1〜10+麻痺
爪:1〜6
武器:武器による
毎ラウンド3〜18
(対毒ST成功迄)
噛む:1〜6+麻痺
爪:1〜4
出現数
1-100(1-100)
1-100(1-100)
2-8(2-8)
1(1)
1-4(1-4)
ST
ファイター3
ファイター4
ファイター7
ファイター12
ファイター12以上
モラル
12
INT
4
7
10
0
16
性格
ニュートラル
宝の型
N/O/U+V
EXP
35 or 宿主による
100
400
1900
1175

orangedice Combat with Stollen Skills orangedice 技能のラウンド処理について orangedice

Now Printing

orangedice Portraits of a Hivebrood and a Hivemind orangedice ハイブのお姿 orangedice

Now Printing

画像提供:O.K.M、竜田久緒


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